カメラマンにも使える無料アカウント?

無料アカウントのストレージ容量が1TBとなったことは、すでにTwitter等でも話題になっており、無料アカウントとみられるユーザーらから「太っ腹!」「iPhoneの写真をどうすべきか困っていて助かった」という意見も見られた。

しかし、バックアップ用途としてFlickrを用いていたプロのカメラマンも多いと聞く。彼らにとって、従来のProアカウントの最大のメリットであった無制限容量サービスがなくなることは、デメリットにならないだろうか。

FlickrにはRAWデータを保存できないため、高解像度JPEGとして考えてみよう。手元にある高解像度の写真を確認したところ、印刷に耐えうる300dpi、508mm×338.67mm(6000×4000ピクセル)の画像を最高画質のJPEGで保存した場合、約24MBの容量であった。1TBの容量であれば、4万1,600枚も保存できる。

これは十分な容量だと思われるかもしれない。しかし、あるプロカメラマンに聞くと、場合によっては1日に千枚もの写真を撮影すると言う。1TB容量では、2カ月分にしかならないというわけだ。プロフェッショナルが自身の仕事を長期間保存しておこうという用途にはあまり向いていないと言える。

有料アカウントのメリットは?

Proアカウントの廃止に従って誕生した2つの有料アカウントだが、これらを選択するメリットはあるのだろうか。

Ad Freeについては、個人の好みもあるだろう。ただし、広告表示を避けたいだけならば、Flickr以外のサービスを利用するという選択肢もある点は言及しておきたい。

問題は、ストレージ容量が2倍になるDoublrだ。アカウントの管理について面倒を避けたいのでないかぎり、2つの無料アカウントを使えば済む話のように思える。コミュニティサイトには、この程度の"メリット"に年間500ドルは高いのではないかという意見が少なくない。

Flickrのサービス刷新は、よくも悪くもインパクトの大きいものであった。無料アカウントユーザーから評価されている一方で、Proアカウントユーザーの不満が公式コミュニティ上で爆発しているのも事実だ。Flickrがこれらの意見へどのように対応するか、プラン内容の変更もありうる話として、注視したいところである。

Flickrのコミュニティサイトには辛辣な意見も多い