"有線越え"ならずとも検討の価値あり

AtermWG1800HP

AtermWG1400HP

最大速度1.3GbpsのAtermWG1800HPでも実効速度は511Mbpsと、残念ながら有線LANには及ばない結果となった。しかし、それでも従来の11nよりははるかに高速で、次世代の無線LAN規格にふさわしい驚異的なスピードだ。今回のテストは鉄筋マンションで行ったので、木造住宅ならもう少し実効速度が伸びる可能性もある。

あえて述べるなら、AtermWG1800HP/WG1400HPの高速無線LAN通信を、どこで活かすかが問題だ。ドラフト11acを導入してもインターネット回線が高速化されるわけでなく、速くなるのは無線LAN内の通信だ。インターネット回線がボトルネックになっている状況なら、高速な無線LANを導入しても意味がない場合もある。

ドラフト11acが効果的なケースとして考えられるのは、無線LANのネットワーク内で大容量のファイルをやり取りする機会が多い場合や、5GHzの11n環境が遅くて不満を感じている場合などだろう。例えば前者の場合、SOHOや複数メンバーで運営している小規模なビジネスシーンを想定できる。PC間でファイルやり取りが多いなら、AtermWG1800HP/1400HPの導入で待ち時間をかなり減らせる。後者のように通信速度が上がらなくて困っている場合、速度を底上げすることでより快適にやり取りできるようになるはずだ。

速度面の改善に加えて、AtermWG1800HP/AtermWG1400HPではUSB関連の機能やECO機能など高度で便利な機能も多い。これらを活用すれば、無線LAN環境がより快適になることは間違いないところだ。