内閣府は20日、2013年5月の月例経済報告を発表した。それによると、景気の基調判断について、「景気は、緩やかに持ち直している」とし、前月の「景気は、一部に弱さが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる」から上方修正した。上方修正は2カ月ぶり。

項目別に見ると、輸出は「下げ止まりつつある」から「持ち直しの兆しがみられる」とし、2カ月連続で上方修正。米国向けの輸出を中心に持ち直しつつあるという。一方、企業収益は「大企業を中心に改善の動きがみられる」、設備投資は「下げ止まりつつある」、企業の業況判断は「改善の動きがみられる」、雇用情勢は「依然として厳しさが残るものの、このところ改善の動きがみられる」、個人消費は「持ち直している」とし、それぞれ判断を据え置いた。

物価に関しては、前月の「緩やかなデフレ状況にある」から「緩やかなデフレ状況にあるものの、このところ一部に変化の兆しもみられる」に表現を変更。国内企業物価は「緩やかに上昇している」に据え置いたのに対し、消費者物価は「緩やかに下落している」から「このところ下落テンポが緩やかになっている」に判断を変えた。

公共投資については、「総じて底堅い動きとなっている」から「底堅い動きとなっている」とした。生産については、「持ち直しの動きがみられる」から「緩やかに持ち直している」に判断を進めた。

先行きについては、「輸出環境の改善や経済対策、金融政策の効果などを背景に、マインドの改善にも支えられ、次第に景気回復へ向かうことが期待される。ただし、海外景気の下振れが、引き続き我が国の景気を下押しするリスクとなっている。また、雇用・所得環境の先行き等にも注意が必要である」とした。

海外経済の判断は、「世界の景気は、弱い回復が続いているものの、底堅さもみられる」に据え置いた。先行きについても、「当面、弱い回復が続くものの、次第に底堅さを増すことが期待される。ただし、欧州政府債務危機が引き続き景気の下振れリスクとなっている。また、アメリカにおける財政問題等にも留意する必要がある」とし、前月から変化はなかった。

アジア地域のうち中国については、「景気の拡大テンポはやや持ち直している」から「景気の拡大テンポは依然緩やかなものとなっている」に表現を変更した。