昨年の猛暑も記憶に新しいところだが、今夏も暑さによる「熱中症」の危険性が心配されている。総務省消防庁の発表では、ここ数年で熱中症による救急搬送者数は急増しており、昨年7月は2万人を超え、同月としては2008年以降最多を記録(※総務省 消防庁「熱中症による救急搬送の状況」より)。特に、地面の反射熱を浴びやすいうえに体温調整機能も未発達な幼児や、皮膚の温度感受性が鈍化し暑さやのどの渇きを感じにくく、かつ暑さに対する耐性も低下している高齢者は「熱中症」になりやすいとされるため、より注意が必要となっている。
■「ミネラル入り麦茶」の熱中症対策効果
熱中症は、水分やミネラル不足により体温の調整機能が破綻し、身体に熱がこもることで引き起こされるため、熱中症対策には、水分とミネラルを十分に補給することが大切。そこで注目したいのが「ミネラル入り麦茶」だ。
涼をとる飲み物として親しまれている麦茶だが、江戸時代には「麦湯」と呼ばれ夏の風物詩として売られていた。明治時代には一般家庭でも麦湯が作られるようになり、昭和30年代に入ると冷蔵庫の普及に伴い、冷たい麦茶が飲まれるようになったという。麦茶はカロリーゼロ、カフェインゼロのため、子供から高齢者まで、安心して飲める健康飲料といえる。
中でも「ミネラル入り」の麦茶であれば、水分とミネラルの両方を摂取することが可能。身体は汗をかくことで体温を下げようとするが、その汗には水分だけでなくミネラルも含まれている。暑さのために大量に汗をかくと、体内の水分やミネラルが不足して身体の調整機能が破綻してしまい熱中症を招く。ミネラルは人間の体の中では作ることができないため、「ミネラル入り麦茶」を飲むことは熱中症対策として有効といえるのだ。
■臨床試験でも実証済……「ミネラル入り麦茶」の「体温下降効果」
「ミネラル入り麦茶」の熱中症対策における有効性は、臨床試験でも明らかになっている。伊藤園、赤穂化成、ノザキクリニックの共同研究では、「ミネラル入り麦茶」を飲んだ30分後、被験者の腹部・胸部の体温が1.7℃下がったという。また、手先の体温には変化が生じなかったため、体幹部の体温を効果的に下げつつも、末端は冷やさないということになるので、冷え性の人でも安心だ。
さらに、暑くなると水分不足により血液がドロドロ状態になる懸念が高まり、夏の高血圧や心筋梗塞、脳梗塞の一因にもなり得えるが、同研究の結果、「ミネラル入り麦茶」を飲むことで「血流さらさら効果」が期待できることもわかっており、これらを未然に防ぐ対策としても有効となっている。
●ノザキクリニック院長・野崎豊先生のコメント
日本の夏は湿度が高いため「熱中症」になりやすい環境であると言えます。麦茶は食品のため、「体温下降効果」「血流さらさら効果」などの作用が緩やかに作用し、身体を冷やし過ぎたりすることもありませんので、熱中症対策として、冷え性の方や、妊婦の方にも安心です。
●河村循環器病クリニック院長・河村剛史先生のコメント
水分とミネラル補給は、一気に行うと血液内に吸収された時にしか効果がありません。少しずつ継続的に飲むことが重要です。また、「熱中症」は発生した当日の水分不足から起こるのではなく、数日前からの水分不足が原因で発生します。ですから、常日頃から十分な水分、ミネラル補給を心がける必要があります。