日本百貨店協会は20日、2013年4月の全国百貨店売上高を発表した。それによると、4月の売上高総額(店舗数調整後)は前年同月比0.5%減の約4,767億円となり、4カ月ぶりに前年を下回った。調査対象は85社243店(前月比1店減)。
同協会によると、今年4月は例年に比べて寒い日が続き、気温低下や大雨・暴風など天候不順の影響を受け、主力の春物衣料が苦戦したほか、入店客数も低迷。その一方で、円安による企業業績の改善、株高による資産効果といった景気回復への期待感を背景に、付加価値の高い高級品を求める傾向は底堅く、ラグジュアリーブランドや宝飾品・高級時計など高額商品は依然として好調で、売り上げを下支えする要因となったという。
月末のゴールデンウィーク前半戦には、各店の積極的な催事展開などで活況が戻ってきたものの、休日が前年より1日減ったといったマイナス要素もあり、最終的には前年実績をわずかに下回った。このほか、増床・改装効果のある東京や大阪など大都市の売上高が4カ月連続で前年を上回ったほか、アジア圏の旅行シーズンに円安効果が重なったことから、対訪日外国人の売上高が2009年1月の統計開始以来過去最高を記録した。
地区別売上高を見た場合、10都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)の合計は前年同月比1.0%増の約3,186億円で、4カ月連続プラス。一方、10都市以外の地区は同3.3%減の約1,581億円で、2カ月ぶりのマイナスとなった。
10都市の売上高詳細を見ると、東京は前年同月比2.1%増の約1,240億円、横浜は同0.1%増の約280億円、名古屋は同2.8%増の約285億円、大阪は同2.9%増の約633億円。それに対して、札幌は同0.4%減の約118億円、仙台は同2.4%減の約69億円、京都は同3.0%減の約188億円、神戸は同4.4%減の約124億円、広島は同5.3%減の約103億円、福岡は同0.7%減の約146億円となった。10都市中、前年を上回ったのは4都市、下回ったのは6都市だった。
商品別の動きを見ると、主要5品目では、身のまわり品が前年同月比1.8%増の約628億円、雑貨が同5.1%増の約723億円で、ともに6カ月連続のプラス。それに対して、衣料品は同3.1%減の約1,728億円、食料品は同0.6%減の約1,147億円と、ともに2カ月ぶりのマイナス、家庭用品は同0.5%減の約245億円と、2カ月連続のマイナスとなった。
このほか、美術・宝飾品・貴金属は前年同月比18.8%増の約263億円で8カ月連続、菓子は同0.4%増の約299億円で4カ月連続、家具は同7.2%増の約723億円で3カ月連続、化粧品は同0.1%増の約264億円で2カ月連続のプラス。家電は同1.0%増の約136億円で2カ月ぶりのプラスとなった。