東京企画が運営するCM総合研究所はこのほど、2012年度(2012年3月20日~2013年3月19日)のCM好感度白書を発表した。それによると、2012年度にCMを放送した全1,941社の中で最も好感度が高かった企業は、6年連続でソフトバンクモバイルとなった。
ソフトバンクモバイルは、2012年度中、「白戸家」シリーズやSMAPが出演するCMを中心に67作品を放送。中でも「白戸家」シリーズでは、お笑い芸人のスギちゃん、音楽グループのEvery Little Thingやゴールデンボンバーのほか、サントリー食品インターナショナルの缶コーヒー「ボス」とのコラボCMでは、宇宙人ジョーンズことトミー・リー・ジョーンズさんが家政夫役で出演し、話題となった。
2位はサントリー食品インターナショナル。「宇宙人ジョーンズ」シリーズで知られる「ボス」のCMでは、前述のソフトバンクモバイルとのコラボCMが好評だったほか、リチャード・ギアさんが映画『男はつらいよ』の寅さんをモデルにした"TORA"を演じる「オランジーナ」などが人気を集めた。
3位にはトヨタがランクイン。企業広告の「ReBORN」シリーズが前年度から引き続き好評で、ジャン・レノさんや妻夫木聡さんらが出演するアニメ『ドラえもん』の実写版CMシリーズでは、体操選手の内村航平さんが登場したほか、木村拓哉さんが織田信長、ビートたけしさんが豊臣秀吉の生まれ変わりに扮するシリーズでは、笑福亭鶴瓶さんが千利休役で登場した。
以下の順位は、4位が花王、5位がダイハツ工業、6位がプロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン、7位が味の素、8位がKDDI、9位がNTTドコモ、10位がサントリー酒類と続いた。このうち、5位のダイハツ工業は、ユースケ・サンタマリアさんと小池栄子さんが子育て中の夫婦を演じる「Tanto」シリーズなどがヒットし、同社最高順位となった。
CM総合研究所はランキング上位の結果について、「意外なキャストの起用や、人気アニメ・名作映画のキャラクターとコラボしたCMなどで話題を拡散し、年間を通じて高評価を獲得した企業が目立った」と分析している。
2012年度に東京キー5局からオンエアされたCM総数は1,941社、8,230銘柄、1万7,090作品。放送回数は150万2,142回で、過去最多だった前年度の150万2,796回からわずかに減少したものの、積極的なCM展開が続いている。
CM好感度を産業別に見ると、通信・サービスが8年連続で1位を獲得。次いで、2位が食品、3位がドリンク、4位が自動車、5位が菓子、6位が生活雑貨、7位が娯楽・工業、8位が医薬・健康、9位がアルコール、10位が流通・販売となった。このほか、マスコミ・教育(11位)、衣料(13位)などが前年度を上回った。