ポルシェ ジャパンはこのほど、市販が間近となった「918スパイダー」のメカニズムについて、詳細な解説を発表した。プラグインハイブリッドの同車は、総出力887PSに対し、燃費(NEDC)は100kmあたり約3.3リットル。レーシングカー並みのパワーと低燃費性能が融合されたモデルとなった。
「918スパイダー」はハイブリッドシステムを備えた次世代のスーパースポーツカーとして、白紙状態から開発された。レーシングカーを開発するポルシェ モータースポーツの技術陣と、市販車の製造に関わるスペシャリストが共同し、開発を進めてきたという。
搭載されるエンジンは4.6リットルのV型8気筒で、最高出力は612PS。1リットルあたりのパワーは132PSとなり、これは「カレラ GT」を大きく上回る、ポルシェのNAエンジン最高の数値となる。このエンジンに115kW(約156PS)のモーターが組み合わされ、後輪を駆動する。これとは別に95kW(約129PS)のモーターが搭載されており、このモーターが前輪を駆動する4WDシステムになっている。
バッテリーはリチウムイオンで、プラグイン充電方式を採用。専用の冷却系統を備えた液冷式で、放電特性に関してはパフォーマンス志向のチューニングながら、保証期間は世界共通で7年となっている。この強力なバッテリーにより、2機のモーターだけの駆動でも30kmの走行が可能で、0-100km/h加速は7秒以下、最高速度は150km/hに達する。
ボディはカーボンモノコックで、大量のバッテリーを搭載するにもかかわらず、車重は1,640kgとなっている。また、低重心化にも最大限の努力がなされており、7速PDKのトランスミッションは搭載位置を下げるために、上下逆に搭載される。
ポルシェでは、同モデルは効率と性能の両方が、互いに犠牲になることなく大幅に向上しており、これこそがポルシェの思想の根幹をなすものだと説明。今後のポルシェのスポーツカーへ引き継ぐべき遺伝子供給源としての役割を果たすとしている。