特別天然記念物ニホンコウノトリのヒナ、2羽が今年も誕生

多摩動物公園では4月8日、4月10日に相次いでニホンコウノトリのヒナのふ化に成功したと発表した。繁殖に成功したのは、今まで多くの子孫を残し子育てが上手な「Y」ペアと呼ばれる両親。これで連続26年目のニホンコウノトリの繁殖成功となる。

今年で連続26年繁殖に成功

ニホンコウノトリは翼を広げると約2メートル、体重は4~5キロもある大形の鳥で、天然記念物指定。1971年に国内の野生個体は絶滅している。以来、1985年から飼育での繁殖が各地で取り組みが行われ、同園では1988年に日本で初めてニホンコウノトリの繁殖に成功。以来、今年で連続26年ニホンコウノトリの繁殖に成功している。

ニホンコウノトリの繁殖では相性が非常に重要であり、相性が悪い鳥同士をペアにさせると、お互いを嘴(くちばし)で突きあい、攻撃してケガをさせてしまうとのこと。同園ではお見合いエリアでお見合いさせ、様々な要素を考慮してペアづくりを行っている。

生まれたのは性別不明の2羽

生まれたヒナは2羽で、ふ化日はそれぞれ4月8日と10日。現段階では性別不明。どちらとも同じ両親のもとから生まれ、献身的に世話をする両親のもとですくすく育っている。

今回繁殖に成功した「Y」ペアは子育てが上手で、昨年は繁殖に成功した「AH」ペアの卵を仮親としてふ化し、子育てを成功させている。同園「Y」ペアによる子育ての様子は、さくら広場上コウノトリ舎の観覧通路より、遠目だが確認することができる。

日本国内、多摩動物公園のニホンコウノトリ飼育状況

2012年末のデータによると日本国内における16の施設でニホンコウノトリはオス90羽、メス87羽、不明1羽の計178羽が飼育されている。同園で飼育されているニホンコウノトリは、今回の誕生で計48羽(オスが23羽、メスが23羽、性別不明2羽/5月9日現在)。多摩動物公園では、ニホンコウノトリの血統を考慮しながら、計画的な繁殖を続けている。

開園時間は9時30分から17時まで。休園日は毎週水曜日。料金は一般(中学生以上)600円。中学生200円。65歳以上300円。

詳細は、東京ズーネットを参照のこと。