りそなホールディングスはこのほど、公的資金の残存額8,716億円(注入額ベース)を5年以内に完済する「公的資金完済プラン」を発表した。

同社は、2003年に3兆1,280億円の公的資金注入を受けた後、2010年に「りそな資本再構築プラン」を策定するなどして、これまでに2兆2,563億円を返済。自立した金融機関となるために、残る公的資金の完済を経営の最優先課題の1つとしてきたという。

今回発表した「公的資金完済プラン」では、公的資金の完済と普通株主価値の向上をパッケージとして実施。公的資金の完済方策を明示するとともに、預金保険法普通株式の一部を対象とする自己株式の取得や公的資金減少に伴う配当余地を活用した普通配当の増配により、普通株主価値の向上を図る。

具体的には、預金保険法に基づく優先株式3,000億円と普通株式1,000億円を2013年度中に買入消却する。優先株式の残りは2017年度までを目途に返済し、普通株式の残りは2013年度中に預金保険機構に対して処分の申し出を行う。

早期健全化法に基づく強制転換型優先株1,600億円は、普通株式への一斉転換期日を5年後となる2018年3月期の定時株主総会の開催日翌日まで延長し、その間に特別優先配当として毎年320億円ずつ分割返済する。

また、普通株式価値の向上を図るため、2013年度末より普通株式の年間配当を12円から15円に引き上げ、25%の増配を実施する。

バーゼル3の新たな自己資本比率規制については、今後とも十分に余裕を持って国内基準を達成するとともに、従来通り、国際統一基準における普通株式等Tier1比率5.5%程度、Tier1比率7.0%程度を上回る水準を維持し、健全性の維持向上を図るとしている。

普通株式の授権枠については、現在の73億株から60億株に削減。公的資金の返済財源には、資本剰余金9,000億円を充当する。

同社は併せて、2013年3月期の連結決算を発表。それによると、経常収益は前期比2.1%減の8,322億円、経常利益は同3.7%増の2,851億円、最終利益(純利益)は同8.5%増の2,751億円となった。

2014年3月期の業績予想については、経常利益が前期比22.8%減の2,200億円、純利益が同47.3%減の1,450億円と見込んでいる。