ゼネラル・モーターズ・ジャパンは、キャデラックが新たな半自動運転システム「スーパー・クルーズ」を開発中であることを発表した。実社会の交通環境を想定して開発しており、運転評価や試験を含めた次の段階に進んでいる。キャデラックではこの技術の2010年代後半の量産化を想定している。
キャデラックではアクティブ・セーフティにおける研究開発の結果として、すでにセーフティ・アラート・ドライバーシートなど、ドライバーをアシストする安全装備を新型モデルに搭載している。こうした安全技術の延長として、「スーパー・クルーズ」が開発された。
「スーパー・クルーズ」では、手を放してレーン内を走行する「ハンドオフ・レーン・フォロウィング」をはじめ、ブレーキやスピードのコントロールを自動的に行うなどの半自動運転が可能になる。これにより、高速道路・交通渋滞中・長距離運転において、ドライバーの負担を軽減できる。開発は、実際の路上運転と同様の環境を再現できるクローズドコースやドライビング・シミュレータで行われており、さまざまな天候や交通条件の異なった環境の中で数10万マイルものテストを行う。
ただしキャデラックでは、「スーパー・クルーズ」が実用化された場合でも、交通状況や天候などの外部要因によるシステムの制限があるため、ドライバーの注意が必要だとしている。「スーパー・クルーズ」はドライバーの疲労軽減や安全性向上のためのもので、完全な自動運転をめざしたものとは異なるシステムといえる。