5月8日から10日まで、東京ビッグサイトで開催されているスマートフォン&モバイルEXPO2013。今年で3回目を数えるこの催しは、急速に進みつつあるスマートフォンやタブレットを使ったソリューションを紹介する展示会だ。注目度も高まっており、非常に多くの人で賑わっていた。出展社の多くは企業向けソリューションを紹介しており、例えばこれまでの企業サイトをモバイル用に変換するサービスなどは数多く展示されていた。
最近のトレンドはスマートフォンの位置情報を使った位置情報取得、勤怠管理などにあるようで、例えばスマートフォンで配送ドライバーが今どこにいるかを把握して、的確な指示を出すことなどが提案されていた。他にもBluetoothを使ったモバイルバーコードスキャナとタブレットを使った在庫管理システム、タブレットを使ったメニューシステムなどもあり、やはりiPadの登場によって業務形態が大きく変わりつつあることが感じられる。 今回の展示会で気になった製品やサービスをいくつか紹介しよう。
まずPC用データベース、ファイルメーカー社はデベロッパー12社が参加して、iOS用のデータベースアプリ「FileMaker Go」を使ったソリューションを紹介する大きなブースを展開していた。紹介されているソリューションはFileMaker Goを使ったPOSレジシステムや在庫管理システムなど様々で、ブース内ではミニステージでのプレゼンや導入に関する相談などを受け付けていた。
日本インフォメーションが発売予定の「フィールドレポート」は、手書きの帳票を写真やPDFで用意したものにiPad上からフィールドを設定してデータ入力ができるようにするソリューションを展示。これまでの手書き帳票をペーパーレスに移行するための環境としては最適だ。
エクスウェアが紹介していたのは、耳に聞こえない高周波音を使った近接データ交換技術「MOMONGA SOUND」。iPhoneなどのモバイル端末を持っていれば室内やデジタルサイネージの前で音を出してクーポンを発行したり広告を表示することができる。BluetoothやWi-Fiの設定なしでアプリだけでデータが送れる技術は、面倒な設定が必要なく将来性のある規格と言えるかもしれない。
同じくアプリだけで、データをやりとりしようというのがナント・モバイルの「BEYOND VISUALS」。こちらは画像、動画認識とARを組み合わせたもので、アプリ内のカメラをテレビ番組に合わせるだけでデータを認識してURLなどを表示できる仕組み。AR技術と組み合わせてアニメーションが楽しめるなど面白い規格だ。
アール・ダブリュー・シーはこの夏から正式にSIMフリーのAndroid携帯を発売する予定だ。ローエンドは1万円台からの展開も可能だという。特に注目は「ALCATEL ONE TOUCH」。中国TCL社の製品で厚さ6.45mmと非常に薄くスタイリッシュだ。今後、SIMフリー端末の販売は加速されてくるのかもしれない。
アスタリスクはiPhone/iPod touch用のケースとバーコードリーダーが一体になったAsReaderを展示。POSレジや棚卸し、在庫管理などに活用できる端末として利用できそうだ。
エヌ・ティ・ティ レゾナントが提供しているサービス「Remote Testkit」は、スマートフォンのリモートレンタルサービス。自社にある60種類のAndroidにリモート環境で接続し、SDKを使ってアプリのテストなどが可能だ。最近問題になっているAndrioidの機種別の差を埋めるのにテストは不可欠だが、機種が多すぎて全てを購入して試すわけにはいかない小さな開発会社などは積極的に活用したいサービスだ。
いずれにしろ企業向けな紹介が多くユーザー向けではないかもしれないが、今後この中から大きく発展するサービスがあるかもしれない。また仕事でモバイル端末を活用するアイデアをもらう場としては展示会は面白いところだ。この秋にも開催される予定があるので、時間のある人は覗いてみてはどうだろうか。