国民生活センターは、シェールガスやメタンハイドレートなど新たなエネルギー資源に関する事業をうたった「買え買え詐欺」の相談が寄せられているとして、消費者に注意を促している。
同センターによると、震災後は太陽光発電事業などをうたった買え買え詐欺が見られたが、2012年10月以降、シェールガスやメタンハイドレートの事業に関する相談件数が急増。これまでに300件以上の相談が寄せられているという。
主な相談事例として、シェールガスの施設運用権で高配当をうたう業者から案内書が届いた後、別の会社名で電話があり、運用権の買取金を宅配便で送金させ、その後も名義変更手数料などの名目で現金を請求するといった手口を紹介。同センターは、現金を宅配便で送付するよう指示すること自体、ありえないと警告している。このほか、「メタンハイドレートの活用により必ず景気は回復する」などといって、ファンドを勧誘する手口も報告されている。
買え買え詐欺では、パンフレットが送られてきた後、別の会社から「パンフレットが届いていないか」「代わりに申し込んでほしい」などの電話があるという。同センターは、このような勧誘電話を受けた際は、早めにきっぱりと断るよう忠告。金銭を支払うよう脅かされた場合などは、警察署や消費生活センターへ相談するよう呼びかけている。
また、買え買え詐欺業者は、ニュースなどで取り上げられた事業を悪用するといい、業者の話や送られてくるパンフレットの記載をうのみにせず、周囲の人や消費生活センターに話を聞いてもらうようアドバイスしている。
シェールガスとは、シェール(頁岩:けつがん)中に含まれる天然ガス。開発技術の進展で商業化が可能となり、米国ではシェールガスの商業生産が進められている。メタンハイドレートとは、メタンと水が低温・高圧の状態で結晶化した物質。火を近づけると燃焼するため、「燃える氷」ともいわれている。将来の天然ガス資源として期待されているが、現在は商業化に向けた技術開発を行っている段階とのこと。