中小企業家同友会全国協議会(以下、中同協)はこのほど、2013年1~3月期の景況調査の結果を発表した。同調査は、2013年3月5日~15日の期間に郵送にて行われ、中同協会員企業962社から有効回答を得た。正規従業員数は平均35.8人(役員含む)。
それによると、2013年1~3月期の業況判断DI(「好転」から「悪化」を引いた割合、前年同期比)は2012年10~12月期のマイナス5からマイナス10に、業況水準DI(「良い」から「悪い」を引いた割合、同)についてもマイナス7からマイナス17に悪化。これらの結果から、現時点では「アベノミクス効果」は中小企業に及んでいないと考えられる。
業種別に見ると、建設業は前期比14ポイント悪化のマイナス3、製造業は同8ポイント悪化のマイナス24、流通・商業は同1ポイント悪化のマイナス5。それに対して、サービス業のみ同6ポイント好転し、プラス2となった。
地域経済圏別に見た場合、大都市を含む地域では、関東が前期から横ばいのマイナス11、北陸・中部が同4ポイント悪化のマイナス21、近畿が横ばいのマイナス16。地方圏では、北海道・東北が同14ポイント悪化のマイナス5、中国・四国が同8ポイント悪化のマイナス1、九州・沖縄が横ばいのプラス2となった。
企業規模別では、100人以上が前期比8ポイント悪化のマイナス10、50人以上100人未満が横ばいのマイナス19、20人以上50人未満が同10ポイント悪化のマイナス13、20人未満が同1ポイント悪化のマイナス5となり、50人以上100人未満規模を除く全ての規模で悪化した。
売上高DI(「増加」から「悪化」を引いた割合、前年同期比)は、前期比5ポイント減のマイナス9。製造業に関しては2ケタ台のマイナス水準が続いているほか、企業規模別では50人以上の企業で大幅な悪化が見られた。
経常利益DI(「増加」から「減少」を引いた割合、前年同期比)は、前期比8ポイント悪化のマイナス12。原材料費・商品仕入高の上昇により利益幅が圧縮され、円安先行で採算が伸び悩んでいる状況が明らかになった。
4~6月期の見通しについては、業況判断DIは前期比13ポイント改善のプラス3、業況水準DIは同9ポイント改善のマイナス8と予測。これは、日銀短観における中小企業・全産業の先行き3カ月後の改善幅(1ポイント改善)より大きいという。
業種別では、建設業が前期比10ポイント改善のプラス7、製造業が同19ポイント改善のマイナス5、流通・商業が同10ポイント改善のプラス5、サービス業が同10ポイント改善のプラス12となり、全業種で2ケタの好転が見込まれている。