アドビ システムズは、6~8日にわたって開催されている同社主催のユーザーカンファレンス「Adobe MAX 2013」において、「Creative Cloud」への移行を後押しするさまざまな施策を発表した。画像編集、映像編集、そしてWeb制作などを手がけるクリエイターにとって、同社のソフトウェアは非常に重要なツールだ。その利用体系が大幅に刷新されたことで起こる制作環境の変化を、ひとつずつ順に追っていきたい。

「Creative Cloud」が提供するもの

新ブランド「CC」で展開されるソフトウェア一覧

CSからCCへ - 製品ブランドの刷新

一番の衝撃を持って迎えられた大きな変化は、これまで各種制作ソフトウェアの統合パッケージとしてリリースされてきた「Creative Suite(CS)」の開発が終了したこと。各製品の新バージョンは「Creative Cloud」上で提供され、ブランド名もこれまでの「CS」から「CC」に変更される。新ブランドの製品提供開始は2013年6月18日を予定している。「CC」は「Creative Cloud」の略称。すべてのソフトウェアを「Creative Cloud」経由で提供していくことを象徴する名称だ。

新バージョンの「CC」から搭載される各ソフトウェアの新機能

「Creative Cloud」自体の定義

また、これまでCS製品で行われていたパッケージ販売は全面的に廃止され、「CC」世代のソフトウェアはすべてサブスクリプション(月額)制により購入することとなる。現在、CS製品を利用しているユーザーには、使用しているソフトウェアの世代に応じた期間限定の優待価格が設定され、Creative Cloudへの移行を後押しする施策がとられている。優待価格の内容と併せて、パッケージ版と「Creative Cloud」の比較記事を参照し、価格面での検討の一助としてもらえれば幸いだ。

こうして、サブスクリプション制での利用を原則とし、ソフトウェアの機能強化や周辺環境を充実させる方向へと大きくかじ取りをした同社だが、「CS6」製品群は既存の買い切りの販売形式(同社は「永久ライセンス版」と定義)にて提供する。ただし、店頭でのパッケージ販売は在庫がなくなり次第終了。個人向けのダウンロード販売、ならびに企業向けのTLP/CLPライセンスの提供を継続する形となる。

次のページでは、「CC」世代に突入してからのアップデートの周期について解説する。