パイオニアは5月8日、同社のカーナビのフラッグシップモデル「サイバーナビ」2013年モデルを発表した。ラインナップは、1D+1Dメインユニットタイプが、「AVIC-VH0009HUD」「AVIC-VH0009CS」「AVIC-VH0009」の3モデルで、2Dメインユニットタイプが、「AVIC-ZH0009HUD」「AVIC-ZH0009CS」「AVIC-ZH0009」「AVIC-ZH0007」の4モデル。

1Dタイプの「AVIC-VH0009HUD」(左)と2Dタイプの「AVIC-ZH0009HUD」(右)

新モデル最大の特徴が、新機能「スマートループ アイ」の採用だ。同社のナビが従来より採用しているスマートループでは、実際に走行している車から走行状況を同社のサーバーに送り、そのデータを解析して共有。リアルタイムにすべての車が利用することで、より実態に沿ったナビゲーションが行えるようになっている。

しかし、スマートループで共有されているのは、文字や数値といった情報のみだった。スマートループ アイでは、それに加えて、クルーズスカウターユニットで撮影した静止画データも共有される。これにより、従来では不可能だった車線ごとの混雑量の違いや、駐車場の入口の混雑具合といった情報を、視覚的に認識することができる。

これから向かう先の静止画がナビ画面に表示される「スマートループ アイ」

撮影は、全国の高速道路のIC/ランプ/JCT/SA・PA、交通量の多い交差点周辺、人気施設の駐車場入り口付近、工事などの交通規制情報発信地点付近で自動的に行われる。自動撮影された静止画は、車のナンバープレートや人の顔などプライバシーに関する情報を加工した形で共有される。同社によると、撮影から5分程度で、データとして反映されるようにしたいとのことだ。また、撮影されたデータは1週間程度、保持される。

なお、スマートループ アイの搭載のために、2013年モデルではクルーズスカウターユニットに搭載されているカメラと、本体の処理能力が大幅に向上している。そのため、2012年モデル以前のサイバーナビに対してのバージョンアップは行われない。

スマートループ アイ以外に関しては、フリーワード音声検索機能を新搭載している。サーバー上で音声解析を行うもので、従来の音声検索とは異なり、音声入力のルールなどにとらわれず、自由な入力からの検索が可能だ。

サイバーナビの全機種がAR HUDユニット対応となった

従来から搭載している機能では、AVIC-VH0009HUDとAVIC-ZH0009HUDが、フロントガラスの前方に情報を表示するAR HUDユニットを標準装備している。また、それ以外のモデルでも、全機種がオプションのAR HUDユニットに対応している。

車外の映像を撮影してナビ画面に重ね合わせる「ARスカウターモード」は、AVIC-VH0009HUD、AVIC-ZH0009HUD、AVIC-VH0009CS、AVIC-ZH0009CSが標準対応で、AVIC-VH0009とAVIC-ZH0009ではオプションを利用することで使用できるようになる。なお、AVIC-ZH0007は、ARスカウターモードには対応していない。

発売は、AVIC-VH0009HUDとAVIC-ZH0009HUDが6月で、他のモデルは6月上旬。価格はオープンで、推定市場価格は、AVIC-VH0009HUDが340,000円前後、AVIC-VH0009CSが260,000円前後、AVIC-VH0009が210,000円前後、AVIC-ZH0009HUDが320,000円前後、AVIC-ZH0009CSが240,000円前後、AVIC-ZH0009が190,000円前後、AVIC-ZH0007が150,000円前後となっている。