レンゾ・ピアノ(イタリアを代表する世界的建築家)が設計して数々の賞にも輝いた空港ターミナルビル

関西国際空港は国内初のすべてが人工島からなる海上空港で、旅客・航空貨物を24時間運用できる地として1994年に開港した。「関空」は、日本の航空事情に大きな影響を与えてきたと言っても過言ではない。そんな空港の魅力を無料で満喫できる施設が、関空にはあるのだ!

これまでにも関空では、無料で「関空2期工事空港島現場見学ツアー」(2011年に終了)など、空港の魅力を広く一般の人にも知ってもらうための数々のイベントを行ってきた。そうしたサービスとは別に、「発着する飛行機が見たい」というニーズに応えて造られたのが、関空展望ホール「スカイビュー」(以下、「スカイビュー」)である。

飛行機が行き交う滑走路の北端に位置する関空展望ホール「スカイビュー」

最初は有料施設だった

「スカイビュー」は北側からターミナルビルが一望できる位置に建てられた、2棟からなる5階建てのビルの総称だ。「関空のターミナルビルは独特な屋根の形状のため、他の空港にあるような飛行場を見学できる場所が造れないのです」と、関西エアポートエージェンシーでホールの責任者である山田直希さんは説明する。

2棟ある建物のうち1棟は「エントランスホール」と名付けられ、ターミナルビルからの無料の循環バスが到着する他、駐車場も隣接しているためアクセス良好。また、レストランフロアやショッピングフロアもあるので、見学前後に食事や買い物も楽しむことができる。

ちなみにオープン当初、見学は有料だったが、リニューアルオープンの際により多くの人に気軽に楽しんでもらえるよう、現在は無料になっている。

「エントランスホール」内には機内食が食べられるレストランも

ショッピングフロアでは飛行機に関するグッズが多数販売されている

もう1棟は「メインホール」と名付けられた3~5階が見学スペースになっている建物で、行き来は「エントランスホール」との間に設置された連絡通路でできるようになっている。「建設当初はメインホールだけでしたが、後で既設の建物を改修しエントランスホールが作られました」(山田さん)。

人気見学スポットは最上階とスカイデッキ

もともと空港を離発着する飛行機を見てもらう施設として建設されただけに、建物内外には何カ所も見学スペースが設けられている。エントランスホール4階のショッピングフロアなどでは、天候に関係なく飛行場全体が見渡せる屋内の見学スポットもある。

それらの中でも、2棟の最上階とメインホールの4階の飛行場側に設置された屋外のスカイデッキが特に人気。「屋上からは、これから離陸する飛行機が移動し、またすぐ横に着陸する飛行機が降りてくる光景が見られるので、お子さんはもちろん、飛行機が好きな方にとってはたまらないはずです」と山田さん。

スカイデッキからは飛行場とターミナルビルが一望できる

離着陸する飛行機の中には「パンダジェット」(ANA中国線のうち、北京線や広州線などで運行)などの特別塗装機も!

「スカイミュージアム」で空のお仕事体験

メインホールの建物内には、3階に「スカイミュージアム」と名付けられた「見て、聴いて、触って、全身で空港と飛行機のことを学べる」体験型の見学・学習施設がある。「空と空港の仕事を知るエリア」や「アトラクションエリア」など全部で5つのブロックに分かれている。

各ブロックでは、全長約30mにも及ぶ72分の1ビッグスケールの「ターミナルビル&旅客エプロン模型」や、飛行機の離発着が仮想体験できる「フライトシミュレーター」など、空の仕事を体験できる各種のシミュレーターマシンが設置されている。全て無料で遊べることもあり、特に子供たちに大人気なエリアだ。

その他にも土・日・祝には、同じく無料で島内バスツアー「わくわく関空見学プラン」なども実施されているので、「空港遊び」の場として関空を訪れてみるのもオススメだ!