東京メトロはこのほど、非常時用走行バッテリーによる車両の走行実験を開始した。

列車の下部に取り付けられた非常用走行バッテリー

非常用走行バッテリー

非常時用走行バッテリーは、震災などの影響により停電が発生した際、駅間に停止した列車が最寄り駅まで自力で走行するための電力を供給するバッテリー。通常時は架線などの電力供給源から充電し、停電時に備える。

現状では、停電で列車の走行ができなくなった場合、駅員が徒歩で救援に向かい、乗客はその場で下車。駅員の誘導の下、トンネル内を徒歩で避難することになっている。非常用バッテリーが実用化されると、停電時でも乗客は必ず最寄り駅で下車できるようになり、より安全かつ迅速な避難が可能になる。

走行実験はまず、車両基地にて実施。実験の結果が良好であれば、営業運転終了後の営業本線でも走行実験を行う見込み。これらの走行実験で性能の検証などを行い、今後の搭載の可能性について検討するとしている。