Q:なるほど。ではそうすると、Virtexはどこを狙うんでしょう?
Rogan:今、我々には2種類のVirtexがあります。MonolithicのVirtexとSSIT(Stacked Silicon Interconnect Technology)のVirtexの2種類です。中でも日本ではSSITのVirtexの受けがとっても良いんですよ。具体的にSSITのマーケットは3つ。まず日本のお客様はWired Network向けに好んで使われている。というよりも、すでにシステムを開発中です。2つ目はEmulation向け。SSITの一番上の2000T(XC7V2000T)だとロジックセル数で200万。ASIC Gateに換算すると15倍位ですから3000万ASIC Gate相当になります。3つ目は公表できないんですが、Communication以外の分野でそういったものがあるということだけ言わせてください。SSITはセカンドジェネレーションもやるということをすでに公表してますし、まぁ日本市場担当としては楽しみですね。
Q:それはいつ発表になるんですか?
神保氏(以下、神保):それは発表してないんです。
Q:また「いつ発表するか発表する」ですか?(笑)
一同:(笑)
Rogan:話を戻してVirtexですが、先程申し上げたようにCommunicationの所では、すごい大きな製品を使われている。後はWirelessでも、やはりBase StationのところではVirtexが使われています。他にも放送局とか医療とか、産業用でも結構使っていただいています。
Q:放送局だと、例えば4K2Kとか、最近だと8K4Kどうしようか、という話になっていて、あのクラスだとVirtexだろうなあ、とは思うんですが。
Rogan:実は複数の所が4K2Kをやっておられて、そのうち少なくとも1つにはVirtexが入ってるんですが、それよりもKintexを選ばれる方が多い。ただ4K2Kといっても、Ultra High-Endのところがあって、そこはVolumeそのものは小さいものの、沢山のVirtexが入ってるんですよ。
本当になんというか、製品になるものというか、台数を売りたい物であれば、やはりそれはKintexがメインになる感じですね。
Q:で、開発ベースというか研究ベースだとVirtexだと。
Rogan:そうですね。
神保:テクノロジーの面から言いますと、米国で開催されたNABのXilinxブースで、パートナー企業のIPなんですが、H.265をZynqのプラットフォームでやっているものを展示していました。それは7045(XC7Z045)のFabricに収まる位の大きさですし、Performanceの方もZynqの7045はKintexと同等のFabricを持ってますので、Kintexで十分H.265は処理できるというデモをさせていただいてます。
Q:H.265ってこれって4K2Kのデモですか?
神保:4K2Kがスタンダードですが、上の8K4Kまで見てますね。
Q:8K4KってZynqで間に合うんですか?
神保:わからないです。お客さんがどういう反応を示されるか次第ですね。
Rogan:今、我々側としては検討してもらってる最中という段階ですが、どの部分の処理をプロセッサに持ってくるのか、というのは1つの話題になっています。
Q:なるほど。そのZynqですが、元々リリースされたときに「何でCortex-A9なの?」という話をお聞きしたわけですが、今ではCortex-A9はむしろ古くなってしまっていて、Cortex-A15が出てきたり、あるいはCortex-A50シリーズが出てきたり。というわけでARMがどんどんコアを更新されている訳ですが、Zynqはどうされるんでしょう?
神保:えーと、次世代コアに関してはまだお話してないです。発表しているのは、(現在とは)異なる複数個のコアを搭載する、ということだけですね。
Q:えー、具体的な数字を聞いても仕方ないので、Directionをお聞かせいただけると。
Rogan:1つ安心できるのは、コアが非常に良くなってる事ですね。なので、我々が新しいコアを入れますと、後からどーんとニーズが増えてくる形でタスクの切り分けが大変になってくる。ですので最初はデュアルコアが当たり前だと思うんですが。
Q:次は? いっぱい?(笑)
Rogan:ですから、そういう問題ですね。
Q:Zynqにしても、一番最初に「ARMのコアを入れるよ」という発表をされたのが2009年末です。そこから実際に量産を開始したのが2012年から2013年にかけてですから、実質3年位かかっておられる。であれば、タイミング的には次のコアをそろそろ発表しないと間に合わないんじゃないかな? という気がするんですけど。
Rogan:それはまぁその通りです。
神保:ZynqはやはりXilinxとしてもすごい挑戦だったのと、あと大きなのはエコシステムのパートナーに開発プラットフォームを整えて戴かないといけないというのがありまして、かなり早期の段階で「Xilinxはやる」と宣言して、ARMエコシステムの人達にそういう物の開発環境を整えていただく、という形でした。実際にそこから2年位はずっとそれをやってたんですね。なので、今のZynqが発売されて、製品が流れ始めてゆく行くという段階においてはOSやツール関係などはすでにAvailableな訳です。