今年に入り、メディア等で盛んに耳にするようになった「PM2.5」。中国における深刻な大気汚染で発生した、髪の毛の30分の1ほどの太さの超微粒子で、黄砂同様、偏西風の影響で春先に特に大量に飛来する環境汚染物質だ。粒子が非常に小さいため、吸い込むと肺の奥深くまで入り込みやすく、喘息や気管支炎などの呼吸器系や循環器系疾患の原因となりやすいとも言われている。そこで、花粉症、アレルギー対策のみならず、PM2.5対策としてこれまで以上に関心が集まっているのが空気清浄機だ。専業メーカーとして世界的に支持されるブルーエアの空気清浄機について、PM2.5対策としての有効性はどうなのかを、ブルーエアの日本総代理店であるセールス・オンデマンドの営業本部宣伝部 北原利樹氏に聞いた。

セールス・オンデマンド 営業本部宣伝部 北原利樹氏

―― PM2.5対策として、ズバリ空気清浄機は効果があるのでしょうか?

北原氏「一定の効果はあると思います。

ただし、一般的な空気清浄機に搭載されている『HEPAフィルター』では、0.3μm以上の微粒子を99.97%除去できる性能を持っていますが、それは、空気清浄機自体の性能ではなく『フィルターの性能であること』『0.3μm未満の微小粒子状物質については、除去の確認ができていない』ことから全て微粒子への対応ができるわけではありませんので、注意が必要とされています」

―― ブルーエアの空気清浄機の場合は、2.5μm以下という超微粒子のPM2.5を除去できるのでしょうか?

北原氏「ブルーエア空気清浄機は0.1μm(マイクロメートル)以上の粒子を99.97%除去します。そのため、黄砂やディーゼル排気微粒子、タバコの煙などのPM2.5についても取り除く事が可能です。ブルーエアはフィルターだけでなく、実機で性能試験を行っているため、PM2.5を含む0.1μm以上の超微粒子を99.97%除去できる性能を保有しています」

―― 実際の仕組みとしては、どのようにしてPM2.5を除去するのでしょうか?

北原氏「ブルーエアは空気清浄機専業メーカーとして、フィルターから独自に開発・研究を行っており、独自のフィルター技術を採用しています。ブルーエアのフィルター技術は簡単に言うと、静電気の力と目の大きさの異なる3枚のフィルターで空気中の浮遊物質を除去する仕組みです。

実際に粒子を除去する仕組みですが、まず空気中に漂う、PM2.5、ウイルス、細菌、カビ胞子、ハウスダスト等の汚染物質を強力なファンで大量に吸引します。そして、空気清浄機に取り込まれた様々な汚染物質に向けてイオナイザーが電子を放出し、マイナスに帯電します。最後にフィルターの目を通り抜けるような微細な粒子もプラスに帯電したフィルターがキャッチするといった流れで除去します」

「ブルーエア270E」

「ブルーエア450E」

「ブルーエア650E」

―― ブルーエアの空気清浄機が他社製品と大きく違う点は何でしょうか?

北原氏「まずは、先ほどお話をした独自のフィルター技術にあります。一般的な空気清浄機に搭載されている『HEPAフィルター』は目が細かく、小さな粒子に対応できるメリットはあるものの、目詰まりを起こしやすく、空気が通りにくくなるため清浄スピードが低下し、空気清浄機の性能を発揮できないという課題がありました。

しかしブルーエアは、両立が困難とされていた"清浄スピード"と"高い除去力"を同時に実現することができました。また、ブルーエアは、世界の空気清浄機の性能評価基準である米国家電製品協会(AHAM)が定めた性能評価基準を採用しており、日本電気工業会(JEMA)とは異なる基準を採用しています。例えば日本の基準では、1時間に2回キレイにできるかどうかを基準に対応畳数が設定されているのですが、AHAMの基準では1時間に5回以上キレイにできるかどうかという基準に基づいて、対応畳数が設定されています。つまり、『清浄スピード』と『微粒子への対応力』といった2点が一般の空気清浄機とのそもそもの大きな違いになっています」

―― PM2.5対策として、なぜ浄化スピードが重要なのでしょうか?

北原氏「目には見えませんが、空気中にはPM2.5のみではなく、汚い粒子が多く浮遊しています。たとえ閉め切った部屋でも、窓やドアの開閉や自然流入などにより、外気と一緒に汚れた空気が絶えず部屋の中へと侵入してきます。また、人が動いただけでもホコリは舞い上がりますので、常に空気中は汚い状態であると言えるのではないでしょうか。さらに、日本の住宅環境においては建築基準法の換気規定において、1時間ごとに室内の半分以上の空気の入れ換えが義務付けられています。

そのため、どんなに除去力の高い空気清浄機を使ったとしても清浄スピードが遅ければ室内の空気をキレイに保つことができないのです。つまり、『清浄スピード』が最も重要というわけですね。また、国内ではどうしても"風量"を基準に空気清浄機を選びがちですが、ブルーエアは世界の基準である"清浄された風量"にこだわっています」

―― ブルーエアはシンプルな集塵機能に特化していますが、イオン発生機能との組み合わせによる相乗効果が期待できる製品に比べて、総合的な空気清浄能力が劣るということはないのでしょうか?

北原氏「空気を徹底的にキレイにするためにイオンが効果的であるということが判明すれば、イオン機能の搭載も検討するかもしれません。しかし、一部で効果効能が疑問視されていることもあり、性能試験に基づくエビデンスが得られるまでは、搭載することはないと考えています。そのため、空気清浄を追求する上で絶対的に必要な機能以外のものを搭載する予定はありません

空気を浄化するということを考えた際、私たちがたどり着いたのは"いかに速く清浄できるか"と"いかに細かい汚染物質まで除去できるか"を両立させる空気清浄機でした。そのためにブルーエアは清浄スピードが速く、より細かい粒子まで除去できる製品を開発しました。

空気をキレイに保つためには、フィルター交換はこまめに行いたい。ブルーエアのフィルター交換タイミングは6ヶ月が目安となっている

また、日本では加湿機能付きの空気清浄機が多いですが、衛生面や性能の面から搭載する予定はありません。特に衛生面について、汚い粒子を捕えているフィルターに加湿をして水分を与えることは、フィルターのバクテリアを増殖することになる可能性が高いのです。本来はこまめなお手入れをすれば良いのですが、現実的には面倒でサボってしまったり忘れてしまったりと、そこまでまめにお手入れするのは難しいと考えています」

―― メンテナンスは面倒ではないのでしょうか?

北原氏「ブルーエアのフィルターは "交換式"のため、面倒なフィルターのお手入れは必要ありません。フィルターをキレイに維持することは空気清浄機の高い性能を維持するために絶対に必要です。

多くの空気清浄機では数週間に一度掃除機を使用するなどして手入れが必要なものがほとんどのようですが、実際にそれほど頻繁にお手入れされているでしょうか? 本来、手入れをこまめにできれば良いのですが、先ほどと同様で忘れてしまうことが多いのではないでしょうか。もちろん、一般の消費者の方々はお掃除のプロではないので完璧なお手入れというのも難しいと思われます。

その点、ブルーエアでは、フィルターが汚れた際には"お手入れ"よりも"交換"を推奨しており、6ヶ月に1度フィルターを交換すれば良い設計にしています」

270Eのフィルター

450Eのフィルター

650Eのフィルター

―― その他、ブルーエアの空気清浄機の長所や、他社製品と比較して優位な点は何でしょうか?

北原氏「ブルーエアは北欧・スウェーデンのメーカーですが、北欧には『良いモノを長く使う』という風習があります。そのため、筐体もスチール製で、プラスチックではありません。そのため、リビング、寝室、和室、玄関など、どのような場所にもマッチするシンプルなデザインで、高い静音性や耐久性を実現しています。また、どのような方にも簡単に使用頂けるよう、シンプルで使いやすい操作パネルも長所であると考えています」