4月17日にGoogle シンガポールオフィスで開催されたイベント「Helping Small Business Think Big」では、中小企業を意識したAdテクノロジーが事例とともに多数披露された。
本稿では、その中からGoogle Analyticsの話をピックアップしてご紹介しよう。
現代人のステータスは、"寝ているか、オンラインか"
Google EMEA/APAC、Partner Program ManagerのTimo Josten氏 |
Google Analyticsのブースで来場者を待ち受けていたのはGoogle EMEA/APACのTimo Josten氏。Partner Program Managerという肩書きを持つ同氏は、アクセス解析の必要性とGoogle Analyticsに搭載予定の新機能について説明した。
Josten氏はまず、Webを取り巻く状況を整理。すでにWebに接続するユーザーは10億人以上に上っており、2020年にはその数が倍になるとの調査データを提示。そのうえで、「スマートフォンの普及により、ユーザーはどこにいても"オンライン"の状況になっている。米Google会長 Eric Schmitの言葉を借りれば、現代の人間は"寝ているかオンラインか"の2通りのステータスしかない状況と言える」と続けた。
アクセス解析の導入は、家に例えるなら基礎工事
それほどまでにWebが生活の中に浸透している現在、ビジネスにおいてもWebの活用は必須の要件となりはじめている。最近では、飲食店やサービス業など、オンラインではビジネスを完結できない業態でも、予約や告知を目的としたWebサイトを当たり前のように開設している。
ただし、今回のイベントの訴求対象である中小企業の場合、予算に厳しい制約があることから、例えWebサイトを作っても、そのアクセス解析までには手が回らないというケースが少なくない。そうした状況は、Josten氏に言わせると、「事業運営上、健全とは言えない」という。
その問題点をJosten氏は、家の建設に例えて次のように述べる。
「Webシステムの主役はデータ。それを支える基礎が解析プラットフォームになる。解析環境がないWebシステムは、基礎工事を行っていないようなもの。安定した運営は難しい」
こうした状況を改善するツールとしてJosten氏が強調したのが、Google Analyticsである。
「ユーザーの成功こそがGoogleの成功である」という同社の考え方に基づいて提供されているGoogle Analyticsは、基本的に無料で利用可能なため、中小企業の経営を圧迫することはない。また、訪問経路や滞在時間、地域情報など、アクセスの詳細を簡単に解析できるため、各種施策の効果を簡単に把握し、次なる一手につなげることができる。
Josten氏は「Googleとしては、ユーザーが増えれば、サービスをより良いものに改善できる。便利なツールなのでぜひとも多くのユーザーに使ってほしい」と語り、Google Analyticsの利用を促した。