東京での地下鉄の全区間での携帯通信対応が完了した日本だが、ここ米国の最大都市であるニューヨークでは、走行区間はおろか地下街や地下鉄駅のほとんどで携帯電話が使えない。世界最古のロンドン地下鉄と並び、このことに不満を覚えていた利用者は多いはずだ。このたび、AT&TとT-Mobileの携帯2社が同市内36駅での携帯通話ならびにデータ通信をサポートしたという。またVerizon WirelessとSprint Nextelも関係機関との交渉中だという。
同件はWall Street Journalが報じている。これは米ニューヨーク市の交通局であるMTAが開催したプレスカンファレンスで発表したもので、米携帯大手2社のAT&TとT-Mobileが「Rockefeller Center」「Times Square」といった主要駅36ヶ所での携帯対応を完了させたという。今後はクィーンズ方面の地下駅40ヶ所も順次対応を進めていく方針で、今年末中には整備が完了する。プロジェクトの総コストは2億ドルで、これらは携帯キャリアらの出資によって賄われ、今後4年間で最終的にニューヨーク市全体の駅を対応エリアに加えていくようだ。
また前述のようにVerizon WirelessとSprint Nextelも同交通局との交渉をまとめている段階で、最終的に前2社と同じ駅、同じネットワークエリアをカバーしていく形となる。100年以上の歴史を持つニューヨーク地下鉄だが、エスカレーターやエレベーターなどがまともに整備されていないなど、施設面での不満は多い。携帯サービスへの非対応もその1つで、旅行者や市民の不便さを解消してくれることだろう。