東京都をはじめとする11都県は25日、スーパーマーケットなどが冷凍食品に架空の「希望小売価格」を表示し、安売りに見せかけているのは景品表示法違反の恐れがあるとして、業界団体に対し、表示の適正化を要望した。消費者庁も同日、同様の発表を行い、関係業者12社に対し、表示を改めるよう求める行政指導を実施した。

11都県は2012年12月~2013年3月の期間、各都県内に所在するスーパーマーケット等の小売業者のチラシ広告等について、合同調査を実施。その結果、多数の事業者が比較対照価格として「メーカー希望小売価格」「メーカー参考小売価格」などと表示し、その価格から「半額」「40%引き」などとし、安さを強調していた。しかし、国内大手冷凍食品メーカー数社に確認したところ、冷凍食品の価格について「メーカー希望小売価格」「メーカー参考小売価格」などに類する価格は設定していないとの回答があったという。

表示例(出典:消費者庁Webサイト)

これを受け11都県は、実態のない比較対照価格を用いて二重価格表示を行った場合、消費者に対し、販売価格が実際以上に安いとの誤認を与えるおそれがあるとして、業界団体に対し、価格表示の適正化を要望。併せて、景品表示法等の法令を順守し、正しい情報を消費者に提供するための各種方策に取り組むよう求めた。

要望先は、日本チェーンストア協会、日本スーパーマーケット協会、新日本スーパーマーケット協会、日本チェーンドラッグストア協会、オール日本スーパーマーケット協会、日本冷凍食品協会の6団体。

また、消費者に対し、冷凍食品の価格表示には安さを強調するものが多数見られるが、実際には安く見せかけているだけの価格表示もあると警告。商品を購入する際には、他店のチラシやインターネットで価格を調べたり、メーカーに希望小売価格などを確認するなどして、誇大広告に惑わされないよう注意を促している。

都は、今後も引き続き小売業者における冷凍食品の価格表示について注視し、景品表示法違反が認められた場合には厳正に対処するとしている。