任天堂は25日、2013年3月期の連結決算短信を発表した。それによると、本業のもうけを示す営業損益は364億円の赤字(前期373億円の赤字)となった。1月末時点では200億円の赤字と予想していたが、「ニンテンドー3DS」「Wii U」の販売がともに想定を下回ったことなどから、赤字幅が拡大した。赤字は2期連続。

売上高は前期比1.9%減の6,354億円。経常損益は104億円の黒字(前期608億円の赤字)、純損益は70億円の黒字(同432億円の赤字)となった。

「ニンテンドー3DS(3DS、LL/3DS)」については、日本国内ではプラットフォームとしての立場を確立できた一方、海外では「New スーパーマリオブラザーズ2」などの新作タイトルが販売の強い勢いを作るまでに至らず、ハードウェア全体の販売台数は1,359万台、ソフトウェアの販売本数は4,961万本にとどまった。

「ニンテンドーDS(DSi LL/DSi/DS Lite/DS)」は、「ニンテンドー3DS」への世代交代が進み、ハードウェアの販売台数は235万台、ソフトウェアの販売本数は3,338万本となった。

「Wii」の後継機として2012年11月に発売した「Wii U」は、同時発売のソフトウェア「New スーパーマリオブラザーズ U」と「Nintendo Land」がそれぞれ215万本、260万本を販売したものの、後に続くソフトウェア開発の遅れなどが影響。発売当初の勢いを2013年に入ってからも持続できず、ハードウェアの販売台数は345万台、ソフトウェアの販売本数は1,342万本にとどまった。

「Wii」については、「マリオパーティ9」がミリオンセラーとなったが、新規タイトルが少なかったことなどから、ハードウェアの販売台数は398万台、ソフトウェアの販売本数は5,061万本となった。

2014年3月期の業績見通しは、売上高9,200億円(前期比2,846億円増)、営業損益は1,000億円の黒字、経常損益は900億円の黒字、純損益は550億円の黒字を予想。2013年6月に今期国内売上をけん引した「とびだせ どうぶつの森」を欧米で、同10月に「ポケットモンスター X・Y」を全世界で発売予定のほか、国内のソフトメーカーが手掛ける有力タイトルの海外展開も進めていくとしている。

国内市場においては、ニンテンドーDS用ソフト「トモダチコレクション」の続編「トモダチコレクション 新生活」などにより、市場の活性化に取り組む。また、海外市場では、2012年夏から開始したパッケージソフトのダウンロード版の販売を推進し、新たな販売機会の拡大と収益性の向上を目指す。さらに「Wii U」についても、プラットフォーム普及の勢いを取り戻すため、自社有力タイトルを2013年後半から来年にかけて集中的に展開する予定だという。