JR東海は24日、東海道新幹線で現在進めている「電力補償装置」の取替えと、今年度より進める「切替用開閉器」の取替えについて、それぞれ概要を発表した。
「電力補償装置」とは、新幹線が変電所から遠ざかるにつれて電圧が降下する現象を抑制し、新幹線の安定的な走行を維持する装置。従来の装置から最新技術を用いた電力補償装置(RPC)に取り替えることで、電力損失が低減されるほか、列車がブレーキをかける際に発生した回生電力を、変電所の電力供給エリアをまたいで融通できるようになるという。これにより、電力使用量の約3%削減が見込まれている。
「切替用開閉器」は、走行中の新幹線が変電所の供給エリアをまたぐ際、高速のまま電源を瞬時に切り替える設備。従来の切替え方式は機械式だったが、機械的な故障の発生を防ぐため、新幹線初となる半導体式の「静止形切替用開閉器」を導入するとのこと。
これらの電力設備の更新により、東海道新幹線においてさらなる省電力化と輸送の安定性向上を図る。電力補償装置の取替えは2017年度までに7カ所で行われ、工事費は約184億円。切替用開閉器の取替えは2019年度までに33カ所で行われ、工事費は約37億円。