玩具メーカーのメガハウスは24日、子ども向けタブレット端末の新製品「tap me(タップ ミー)」を発表した。7月中旬の発売に先駆け、メディア向け展示会を開催。製品に搭載された機能や内蔵アプリを始めとする詳細が公開された。
「tap me」は、7型ワイドTFT液晶を搭載し、Android 4.0をプラットフォームとするタブレット端末だ。海外ではすでに確立された市場として、インスピレーションワークスの「kurio」など十数種が発売されているが、国産としては初の子ども向けモデルとなる。国内外の状況にメガハウスが着目、いち早く国内市場に切り込んだ形と言える。
開発のきっかけについて、開発を担当したメガハウス 新規事業プロジェクト 新規事業推進担当 濱高朗氏は、「今は親子でタブレットなどのデジタルツールに興味を持つ方が多いのですが、国内ではまだ大人用タブレットを子どもさんも共有している状況です。精密機器のため、タブレットを持たせたくても心配という親御さんが多く、それなら子ども専用のタブレットを作ってはどうかと考えたのが最初」と語る。
「tap me」のコンセプトは、子どもと大人が安心・安全に使える端末であること。高いセキュリティ性や楽しく遊びながら学べるコンテンツづくりとアプリ選びで、いわゆる大人用とは一線を画した製品となっている。
まずセキュリティ面では、Google検索やバンダイチャンネル(アニメ)、メール、マーケットから利用機能を選択したり、アプリロックが設定できる「管理機能(パパママモード)」、利用時間を設定する「使いすぎ防止タイマー」といった機能を備える。
興味深いのは、一般的なゲームなどで子どもの不満を引き起こしやすいタイマー制限の機能に、メインターゲットである4~8歳の考え方が考慮されている点だ。ただ使えなくなるだけではなく、tap meを擬人化し、眠ってしまった、というストーリーを介して伝えることで、子どもが自ら納得できるようになっている。
また、小さな手でも安全に持ち運べるよう、衝撃から本体を守るシリコンバンパーが標準で装備。どちらも玩具メーカーならではの視点を活かした工夫と言えよう。
一方のコンテンツ面では、文字や数、図鑑やドリルなどの教育系アプリのラインナップが重視されている。
「PSPやゲーム機、タブレットをどう使いたいかというユーザー調査をした際、タブレットは教育用アプリを使う端末として使いたい、子どもが不思議に思ったことを自分でネットで探せる点を活かしたいとの回答が多く、その辺りを重視してコンテンツ開発をしました」(濱氏)
イラストを見てものの名前を答える「あいうえおボード」や書き順を練習できる「ひらがななぞり」などのオリジナルアプリ、検索サービス「Yahoo!きっず」のアプリなどを含め30種以上がインストールされており、購入後すぐに楽しむことができる。
Wi-Fi回線を介してキッズアプリマーケットを利用すれば、子どもの成長に合わせてアプリを入れ替えられるほか、プラットフォームのアップデートも同マーケットで対応できるため、長く使うことができる。
また、UIはタブレットの基本動作のみで扱えるシンプルさで利用中に迷うこともほぼない。その他、アウトカメラ(200万画素)&インカメラ(30万画素)も内蔵され、記録や自撮り撮影などもできる。
最後に「tap me」と他社製品との違いを尋ねたところ、やはりコンテンツの企画・開発が国産である点、また操作がシンプルである点が大きいようだ。
「個人的な見解ではありますが、例えば海外製品をローカライズした物ですと、コンテンツが英語中心だったり、管理機能が親御さんにわかりにくかったりと、どこかに使いづらさが出てきてしまうと思うんです。その意味でも本機では、タイマー設定一つとっても目覚まし時計感覚ですぐ設定できるUIになるよう注意して開発しました」(濱氏)
今後の子ども向けタブレット市場を牽引する「tap me」の登場は、7月中旬。家族のコミュニケーションを新たな物にする「簡単・シンプル・安心・安全」なタブレットとして、今から発売が期待される。