香港の通り沿いには、リーズナブルな食堂が数多く軒を連ねているものの、滞在中に一度ぐらいは高級レストランの料理も味わいたいところ。数あるレストランの中でも特におすすめしたいのが、2011年9月にオープンした「Hotel ICON」内28階にある「天外天」(Level 28,17 Science Museum Road,Tsim Sha Tsui East ランチ11時~14時30分、ディナー18時~22時30分)だ。
店に入ってまず驚くのは、香港の町並みを見渡せる絶好のロケーション。夜景は特にすばらしい。また、ワインのラインナップにも目を見張るものがあり、中華とワインのマリアージュも楽しめる。そして肝心の料理も特徴的。有名ホテルや会員制クラブで30年以上キャリアを積んできた謝錦松シェフが、世界各地から取り寄せた食材を使って織り成す料理は芸術的。今回、謝シェフにとっておきの3品を紹介していただいた。
「Steamed Coral Crab with Glutinous Rice」
時価※取材時は400香港ドル(約4,680円)
蒸籠(せいろう)に蒸したカニが丸ごと入ったおこわ。とろける卵とカニの身の旨みがしっかりとご飯にしみこみ、カニの旨みを余すところなくいただける。あっさりめの味わいで、「もうおなかいっぱい! 」と思っていてもシメに食べたくなる。
「Crispy-fried Sweet and Sour Pork with Red Wine Vinegar」
168香港ドル(約1,970円)
豚肉は、なんと日本の鹿児島産黒豚を使用。思わず「八幡巻」を頭に思い浮かべてしまう見た目だが、中にはパイナップルが入っていて、これを豚肉で巻いている。甘酸っぱい味つけで、使用している材料からもその味わいはまさしく酢豚! 謝シェフの手にかかれば、酢豚もこんなおしゃれな見た目に変身する。
「Steamed Lobster with Egg White and Black Truffles」
238香港ドル(約2,790円)
伊勢エビを1尾丸ごと蒸し上げる豪快な調理法ながらも、完成したメニューはなんとも上品。蒸し上げた伊勢海老は茶わん蒸し風に仕上げ、仕上げには黒トリュフをあしらっている。
天外天では化学調味料は一切使わず、塩や砂糖、油も極力抑えて素材そのものの良さを引き立てるよう工夫している。ヘルシーなモダンチャイニーズ、といった印象だ。ディナーは要予約で予算は600香港ドル前後(約7,020円)。一夜のぜいたくと考え、香港の夜景を眺めながら、ワインとともに絶品高級グルメを堪能してもらいたい。予算がどうしても厳しければ、ランチタイムを検討してみるといいだろう。ランチセットは268香港ドル(約3,140円)。自由に好きなものをオーダーできる飲茶(1品28香港ドル~・約330円~)も、ランチタイムに展開している。