文房具から食料品、工芸品に大型家具、さらにレジャー用品まで。まさにデパート並みの品揃え。例えば通常、牛革製でハンドメイドの紳士用ビジネスシューズとなると、軽く1万円は超えてしまいますが、それが安いものでは3,900円。

民芸タンスは3万円代~4万円代。リビングソファーもハンドメイドで5万円程度。ダイニングテーブルも3万円を切ってしまうものもあります。

■全国から製品が集まる展示即売所

実はここ刑務所に隣接されている刑務所作業製品展示即売所。では、なぜ安く販売できるのか、財団法人矯正協会刑務作業協力事業部の高木さんにお話を伺いました。

高木さん「刑務所作業製品は受刑者が社会復帰した後に実践で役立てるための職業訓練の一環で作っているものなんです。製品の販売目的はあくまで次の刑務作業で使用する材料費確保のためなんですね。人件費や工賃がほとんどかかっていないので市価の3、4割は安いと思います」

――なるほど、営利目的ではないためこんなにお値打ちに提供できるんですね。

高木さん「そうですね。例えば福井刑務所は皮製品、愛知の刑務所は木工製品といった具合に製品作りには長い歴史と伝統があって、専門の技官によって技術が受け継がれています」

年に1回の審査があって、優秀な製品には法務大臣より大臣賞も授与されるということ。既製品以外にオーダーメイドも可能で、市価の4割程度安く、コスパもなかなかです。

■購入するなら展示即売所で

スーパーなどで契約業者による即売会を開催することもあるそうですが、その場合は仲介手数料が定価に乗っているため割高。ネット購入も可能ですが、品定めができないのが難点。刑務所に隣接した展示即売所で相談しながら直買いするのが賢い方法です。

こうした展示即売所は全国に38か所あります。平日ならば毎日営業。誰でも入れますので、興味のある方は言ってみてはいかがでしょうか。