映画『リアル~完全なる首長竜の日~』の完成披露記者会見が23日、東京・上野の国立科学博物館で行なわれ、キャストの佐藤健、綾瀬はるか、中谷美紀と黒沢清監督が出席した。
6月1日から全国で公開される映画『リアル~完全なる首長竜の日~』は、第9回『このミステリーがすごい!』で大賞を受賞した乾緑郎の原作小説(宝島社刊)を実写化した作品。主人公の浩市(佐藤)は、自殺未遂をした恋人で漫画家の淳美(綾瀬)を救うため、昏睡状態でも意思の疎通が出来る"センシング"という最新医療を使い、淳美の脳内に入っていく。淳美の意識の中を彷徨う浩市は、記憶の底に眠る首長竜の絵の謎と衝撃の真実に辿り着く――というストーリーで、オダギリジョー、染谷将太、小泉今日子らも出演している。
劇中にも登場する国立科学博物館にある首長竜(フタバスズキリュウ)のレプリカ前に登場した綾瀬は「首長竜を初めて見て興奮してます。泳いでる真下にいるみたいで、ここで会見出来てうれしい」と笑顔を見せ、首長竜の好きなところを「首が長~い感じ!」と笑わせた。「映画の首長竜は恐怖の存在だけど、感情移入しそうなくらいチャーミング。佐藤さんと綾瀬さんのアクションシーンも本当に首長竜と一緒に演じているよう」と話した医師・相原役の中谷は、レプリカを前に「意外と小さくてちょっとガッカリ」と吐露すると、佐藤は「これは骨だけだから、肉が付いたらもっと大きいですよ。映画ではこれより大きいのが出てきます」とフォローしていた。
佐藤が綾瀬の脳内に入るという同作だが、佐藤は綾瀬の脳内イメージを「丸や三角のカラフルな積み木があって、どんどんドアを開けていくと闇に包まれていく感じ。一見、パッパラパーだけど実はよく考えてるので」と話して笑いを誘い、綾瀬は「佐藤さんは一見、思慮深いけど話すとすごく優しくてホワホワしてるから、霧っぽいイメージ」とにっこり。また、キャスト3人の中で誰の頭の中に入りたいかと聞かれた中谷は、「少年らしさと母性を兼ね備えてて、一緒にいると温かい気持ちになる綾瀬さん。中に入ったらもっと温かくなりそう」と話すと、中谷の脳内に興味津々の2人に「待ち時間もピシッとしてて隙が無いから、油断してるところを見てみたい」(佐藤)、「美しくて完璧だけど、話すとユーモアと深い優しさがあってそのバランスが面白い」(綾瀬)と言われ、「褒められてんだか、けなされてんだか」と苦笑いしていた。
会見後は、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで舞台あいさつが行われ、綾瀬は「この作品は、極限状態での究極のラブストーリーです。恐竜がヌメッとしてるところがリアルで、映画のタイトル通り」とPRして観客を笑わせ、佐藤は「映画って笑わなきゃとか泣かなきゃとかがあるけど、この映画はルールが違う。監督の頭の中に入ることは出来ないけど、天才・黒沢監督が作る世界を感じて欲しい」と力を込めてアピール。綾瀬の話題になり、中谷が「綾瀬さんは何も考えてなさそうだけど、実はとても気を遣ってる」と明かし、佐藤も「綾瀬さんの半径100mは元気になる」と称すると、綾瀬は「実はお笑い芸人を目指してるので!」と照れ笑いで返していた。