香港といえば飲茶! 滞在中、やはりこれだけは外せないと旅行者の多くは考えていることだろう。今回紹介するのは香港の庶民派飲茶。1926年創業の老舗飲茶店「蓮香樓」(Wellington St., Central 営業時間: 6時~23時 ※飲茶は16時まで)だ。とにかく独特な雰囲気で、例えるなら、人であふれかえる満員電車で楽しくみんなで大食い選手権をやっているような店内なのだ。

混み合う店内、なんとか席を見つけたい

こんな感じでお湯を注いでくれる

現地の人とも相席しながら円卓を囲む

お昼時に行ってみると、100人以上は入ろうかという広い店内は人でいっぱい。特に店員からの案内はなく、自分で席を見つけて座るというシステムになっている。でも、どう見ても席はないような……と困っていると、「ここがあいているぞ! 」と他のお客さんが助け舟を出してくれた。人をかきわけ何とか席にたどり着く。店は常時混んでいるので、相席が基本。地元の人たちと円卓を取り囲み、さて何を注文しようか心躍らせる。席に座ると、大きなヤカンを持参した店員が登場。テーブルに置いてある急須に上の方から熱湯を注ぎ込む。こぼれて飛び散るのではないかと恐れつつも、そこは見事な職人芸。こぼさずお湯をいっぱいに浸してくれた。

メニューは至ってシンプル。小さい蒸籠(せいろう)が14香港ドル(約160円)。中ぐらいのせいろが16香港ドル(約190円)。大きい蒸籠(せいろう)が18香港ドル(約210円)だ。様々な蒸籠(せいろう)を積んだワゴンが店内を循環し、自分の気に入ったものをピックアップするスタイルだ。

豚肉と椎茸、魚の浮き袋を山芋で包んだもの。素朴な伝統的料理がそろっている

鮮やかな色の餃子には、具がぎっしり詰まっていた

新たなワゴンが来ると、待ちきれないお客さんが席を立ってワゴンへ

新しいワゴンが来ると、わっと人が群がり、蒸籠(せいろう)のフタを開けては中身を吟味し、好きなものを取っていく。人であふれかえる店内は、ワゴンが来るたびに立ったり座ったりする人でごった返す。まさにカオス状態! でも、実物を見てメニューが選べるので、言葉が通じない海外ではうれしいスタイルだ。

ワゴンを見ると、シューマイや餃子、まんじゅう、腸粉(米で作ったクレープのような食べ物)などだ。ヌーベルシノワなメニューもいいけれど、やっぱりオーソドックスな飲茶も外せない。そんなときに活躍してくれる店がこの蓮香樓だ。