日本生産性本部は22日、「2013年度 新入社員 春の意識調査」の結果を発表した。同調査は、2013年3月下旬から4月の期間に、同法人が実施した新入社員教育プログラムなどへの参加者を対象に実施。有効回答数は1,931人。
まず、自身のキャリアの考え方に近いものを尋ねたところ、「いろいろな仕事や持ち場を経験してジェネラリストとしてきたえる職場」を希望する割合が58.4%と、過去20年間で最高水準を記録。一方、「ひとつの仕事や持ち場を長い期間経験させて、スペシャリスト(専門家)としてきたえる職場」は41.6%だった。
「海外勤務のチャンスがあれば応じたい」と考えている人は55.0%で、2011年の設問開始以降、継続して過半数を上回った。応じたい理由については、「視野を広げたい」が39.4%でトップ。次いで、「国内では経験できない仕事に挑戦したい」が26.3%、「キャリア形成に役立たせたい」が17.5%となった。
転職に関する設問において、「今の会社に一生勤めようと思っている」と答えた割合は55.5%で、前年度より4.6ポイント減少。それに対して、「きっかけ、チャンスがあれば、転職しても良い」は31.3%で、前年度より4.7ポイント増加した。
就職活動中に訪問した会社数を聞くと、最も多かったのは「1~5社」で35.6%(前年度39.6%)。以下、「11社~20社」が19.3%(同16.7%)、「6~10社」が14.8%(同13.1%)、「21~30社」が14.2%(同13.8%)、「31~50社」が10.3%(同10.2%)、「51~70社」が4.5%(同4.0%)、「71社以上」が1.3%(同2.6%)と続いた。
内定が出た会社数は、「1社」が60.0%(前年度64.6%)、「2社」が22.2%(同19.9%)、「3社」が10.4%(同9.3%)、「4社以上」が7.4%(同6.2%)となった。
今回の調査から新設した、SNSを就職活動に利用したかとの問いに対しては、20.4%が「はい」と回答。年齢別に見ると、19歳以下が4.2%、20歳以上が24.0%、男女別では、男性が18.3%、女性が26.3%となった。
また、「はい」と答えた人に対して「利用して良かった点、悪かった点」を質問したところ、良かった点としては、「今現在働いている人の生の声を知ることができた」「人事担当者と親しく接することができた」など、悪かった点としては、「大量の情報に振り回された。情報の取捨選択に迷った」「情報が偏り視野が狭くなってしまった」などの意見が寄せられた。
このほか、ビジネス上、有益な情報を入手した際、「周りの上司、先輩に対して積極的に情報提供する」を選んだ人は79.8%で、2000年の設問開始以降、過去最高を更新。一方、「上司、先輩とはいえ、仕事上のライバルなので、必要に応じて情報提供するか否かを決める」は20.2%にとどまった。