日本政策金融公庫は22日、2012年度の創業融資実績(創業前および創業後1年以内)を発表した。それによると、2012年度の創業融資件数は前年度比18%増の1万9,649社、創業融資金額は同32%増の1,333億円となり、ともに前年度を大幅に上回ったことがわかった。

同社によると、近年の創業融資実績は、リーマンショックや東日本大震災の発生などに伴う厳しい経済環境から創業環境が悪化し、2009年以降の融資件数は前年度実績を下回って推移してきた。しかし、2012年度は景気の緩やかな持ち直しとともに融資件数も回復に向かい、4期ぶりに前年度を大きく上回ったという。

中でも女性起業家資金は、前年度比21%増の3,226企業と大きく増加。業種別に見ると、美容業、レストラン・カフェ、エステティックサロンなど、生活に密着した分野での創業が多くなっている。また、55歳以降のシニア起業家資金は同17.4%増の1,196件、30歳未満の若者起業家資金は同16.6%増の1,549件と、ともに前年度を上回って推移しており、同社は「経済社会が多様化する中で、創業の裾野が広がっている」と分析している。

「女性、若者/シニア起業家資金」の創業前及び創業後1年以内の融資実績(出典:日本政策金融公庫Webサイト)