7月20日公開の映画『シャニダールの花』の完成披露試写会が18日、東京・渋谷のヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、ダブル主演の綾野剛と黒木華をはじめ刈谷友衣子、伊藤歩、石井岳龍監督が出席した。
本作は、2010年に"石井聰亙"から"石井岳龍"に改名した石井監督が、7年の歳月にわたって温めてきた企画を映像化。国家機密の研究が進められているシャニダール研究所を舞台に、植物学者の大瀧(綾野剛)とアシスタントの響子(黒木華)は、選ばれし少女たちだけの胸に咲いた謎の花"シャニダールの花"の研究に没頭していた。花の成長に誘われるように恋に落ちていく2人だが、花が美しく咲くと少女たちの体に異変が起き、謎の死を遂げる事件が巻き起こる。
主演の綾野は「自分が出演した作品はいつも不安に思うのですが、今回はこの作品が表に出ることをすごく楽しみにしていました。この作品が皆さんに受け止めてもらえる自信があります」と胸を張った。さらに石井監督との仕事を熱望していたことを明かして「ご一緒できることがファンタジー。監督とは『とにかく狂いましょう』と話しました。こういう作品が世に出ることが重要で、映画界の底上げになる作品が中々世に出ない中、微力ながらこの作品でスタートを切れることは感謝の極みです」と熱く語った。
また、共演した3人の女優陣の印象を聞かれ「黒木さんは美しい中に毒がある。刈谷さんはピュアなんだけど、この世に生きづらくなっていく。歩さんは本当の意味で天然素材。そういう意味では3人に翻弄されましたね」と役柄を交えながら感想を述べた綾野。そんな綾野に対して黒木は「いや~変ですよね。でもその"変"は魅力的という意味。翻弄されたと仰いましたが、自らその所に落ちたんですよ(笑)」と指摘しながら、「最初にお会いした時もそうですけど、距離感の近い人だと感じました。その距離感って、普通は掴みづらいと思うんですけど、綾野さんは凄く自然に距離感が出ていて、お芝居を一緒にしていて凄く楽しかったし刺激を受けました」と絶賛。だが、改めて「でも変な人です」と念押しして会場を笑わせた。映画『シャニダールの花』は、7月20日よりテアトル新宿ほかで公開。