早いもので5回目になりました。皆さんこんにちは、三井智映子です。今日は金利と株価の関係についてお話したいと思います。

三井智映子さん

株価は景気の先行指標、金利は好景気を受けて上昇するので少々遅行的

まず、そもそも金利とは何でしょうか?

金利の基準はそれぞれの通貨単位により異なります。

通貨を発行している国の経済状況やその国の信用リスクなどにより決まっているものです。

一般的には、低GDPで、デフレだと金利は低くなりますよね。期待インフレが低いということは、「あまりこの国は成長しないんじゃないかな?」と判断されるからです。また、不景気の時には政府が政策金利を下げることで、個人消費や企業の新規投資を喚起して景気回復対策とすることもあります。とはいえ金利が低いと銀行は利鞘が稼ぎにくくなってしまいます。日本はそういう状態だといえます。

株価は、景気の先行指標だといえます。

おおまかに半年後の景気を表すといわれています。今は「アベノミクス」への期待感でグングン上がっていますよね。景気が良くなり、企業業績が上がることを投資家が折り込んでいる、ということです。金利は好景気を受けて上昇するので、少々遅行的であるといえるでしょう。そう、金利と株価に多少のタイムラグが生じるわけです。基本的に、景気が上向きの局面では株価も金利も上昇します。逆もまた然り、です。金利が高くなった場合、多くの人が定期預金などに資産を回すからです。株式投資でリスクを背負わなくても良いということですね。そのため、株式市場で出回るお金が少なくなるため、株価の水準も下がります。また、金利が上がると利子が増えることから企業が銀行から資金を借入しにくくなります。よって業績悪化や事業活動が思うように運ばなくなる会社が増え、株価が下がることが想定されます。

しかし、ゼロ金利政策の際のように景気が停滞しているため、前述したように政府が金利を限りなくゼロに近い水準まで下げましたが、なかなか低金利なのに株価が上昇せず、株価と金利が同時に低迷することもあります。これはセオリーからするとちょっとイレギュラーともいえます。国の経済状況によって、必ずしもこの法則に沿って値動きするわけではないんですね。

金利が低い今が買い物しどき、と言えるかも?

金利の変動も株価に大きく影響してきます。

通常は金利が引き下げられると 、いくら預金してもあまり利子がつかないので、資金を株式市場に投資すると考えられます。そのため、金利が引き下げられると株価が上がる傾向が見られるのです。さらに金利が引き下げられると、消費や投資が増え生産も多くなります。生産が増えればそれを生み出す労働力も 必要になるので失業率が下がります。そして給与も上がるので国民所得も増え景気は回復に向かいます(その理論で低金利政策が発動するわけです)。金利が下がると住宅ローンの金利も安くなり、住宅の需要も増え、銀行の金利も下がると企業も運営資金を借りやすくなるので投資も増えます。企業の業績が上がると、株価が上がります。すると投資家の消費につながります(今高級時計や高級車の需要が増えているのはこれかもしれません)。そして景気が上向いていくということです。

日本の政策金利は、2006年前半0%だったのが後半に0.25%になり、2007、2008年は0.50%、2009年から2013年は0.10%と推移しています。現在ゆうちょ銀行の通常貯金の適用金利は0.03%となっています。

ちなみにほかの主要国はといいますと、

  • 英国 : 0.5%

  • 豪州 : 3.0%

  • カナダ : 1.0%

  • スイス : 0.0%

  • 欧州 : 0.75%

  • 米国 : 0.25%

となっています。

今は株価が上がっている最中ですが、このあと金利が上がってから市場がどうなっていくのかも注目してみてくださいね。金利が低い今が買い物しどき、と言えるかも?

執筆者プロフィール : フィスコ リサーチレポーター 三井 智映子

共立女子中学校・高校を経て、早稲田大学政治経済学部へ。2001年から芸能活動を開始し、現在テレビ、CM、舞台などに出演。また、いち消費者とアナリストの中間的な存在であるフィスコのリサーチレポーターとしても、株式やFXの現場を取材レポートしています。