日本百貨店協会は22日、2013年3月の全国百貨店売上高概況を発表した。それによると、3月の売上高総額(店舗数調整後)は前年同月比3.9%増の5,447億円で、3カ月連続のプラスとなった。調査対象は85社244店。

同協会によると、今年の3月は、例年より気温が高く好天に恵まれたことにより、主力の春物衣料が伸長したほか、株価上昇に伴う資産効果や景気回復への期待感を背景にした消費意欲の高まりから、ラグジュアリーブランドや宝飾品・高級時計などの高額商材が好調に推移。また、ホワイトデー商戦が堅調であったことや、気温上昇により花見商戦が前倒しされたことなどもプラスし、前年実績を大幅に上回った。

さらに、増床・改築効果のある東京や大阪などの大都市が売上を牽引したほか、地方の売上も前年を上回ったこと、アセアン諸国の急伸や円安効果を追い風に、訪日外国人の売上・客数がともに大きく伸びて情勢に弾みがついていること、などが報告されているという。

地区別売上高を見た場合、10都市(札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡)の合計が前年同月比5.6%増の3,588億円。10都市以外の地区が同0.7%増の1,859億円となった。

10都市の売上高詳細を見ると、札幌は前年同月比3.6%増の135億円、仙台は同3.6%増の78億円、東京は同6.4%増の1,378億円、横浜は同4.0%増の312億円、名古屋は同6.5%増の341億円、京都は同2.3%増の210億円、大阪は同9.0%増の714億円、神戸は同3.8%増の138億円、福岡は同3.1%増の169億円と、10都市中9都市が増加。一方、広島は同6.2%減の111億円となった。

地区別売上高(出典 : 日本百貨店協会Webサイト)

商品別の動きを見ると、主要5品目では、身のまわり品が前年同月比9.2%増の699億円、雑貨が同6.4%増の786億円でともに5カ月ぶりのプラス。衣料品は同4.8%増の2,010億円で4カ月ぶりのプラス、食料品は同0.3%増の1,362億円で2カ月ぶりのプラスとなった。一方、家庭用品は同0.3%減の268億円で2カ月ぶりにマイナスへ転落した。

このほか、美術・宝飾・貴金属は前年同月比15.6%増の262億円で7カ月連続、菓子は同2.6%増の450億円で3カ月連続、家具は同6.6%増の732億円で2カ月連続のプラス。化粧品は同3.9%増の301億円、惣菜が同0.2%増の289億円でともに2カ月ぶりのプラス。紳士品・洋品は同8.6%増の366億円、婦人服・洋品は同5.1%増の1,296億円、子ども服・洋品は同1.2%増の222億円でそれぞれ4カ月ぶりのプラス。その他雑貨は同0.1%増の223億円で1年ぶりのプラスとなった。