函館市企業局交通部は15日より、復元チンチン電車「ハイカラ號」の今年度の運行を開始した。10月31日まで、湯の川~谷地頭間および湯の川~函館どつく前間にて、火曜と水曜を除くほぼ毎日運行する。
「ハイカラ號」は1910(明治43)年、千葉県成田市の成宗電気軌道で初めて運行され、1918年に函館へ移管。20年近く客車として運行していたが、1937(昭和12)年にササラ式除雪車(ササラ電車)に改造され、除雪作業にあたっていた。
1992年、函館市制70周年記念事業の一環で当初の姿に復元され、翌年、客車に復帰。以降、毎年春から秋までの期間限定で運転している。
函館市電の中で、同車両のみ運転士1名と女性車掌1名の2名体制で運転。整理券発券機や料金収受箱がないため、乗客は車内で車掌に行先を告げ、運賃を支払う。運賃は一般の電車と同じ。車両前部の運転席と車両後部の車掌の立つスペースは、側面に扉や窓がない吹きさらしであるため、雨天や荒天の際には運休となるというユニークな特徴を持つ。