クリーニングを上手に活用するためのQ&A。第5回目のテーマは、「衣類がクリーニングされて戻ってきた後の保管方法について」です。今回も全国無料宅配クリーニングサービス「せんたく便」を運営するヨシハラ代表取締役、吉原保氏に、クリーニングに対する素朴な疑問に答えてもらいました。

ビニールで包装されたまま衣類を保管するのはNG!

クリーニングされて戻ってきた衣類の保管方法は? (写真はイメージ)

――クリーニングされて戻ってきた服を、よりきれいに保管するために、まず何をすればいいのでしょうか?

吉原氏 「仕上がった衣料が手元に戻ったら、まず最初にしてほしいのは衣料を包んだビニール包装をはがすことです」

――えっ!? ビニールで包装されていると新品に戻ったような気分になるので、ついそのままにしたくなりますが……。

吉原氏 「あれはあくまで輸送中のほこりから守るためにあるもので、保管のためではないんです。その上、ビニールの素材はイレギュラーな化学変化を発生させる場合があり、衣料に対して悪さをしてしまうケースも報告されています。だからビニールで包装されたままの状態で長期保存をするのは良くありません。衣料を長く保管するなら、まずビニールから出して、通気性のいい『不織布』と呼ばれる袋の中に入れるのがベストです」

――ところで、クリーニングされた衣類を置くならどんな場所が良いのでしょうか?

吉原氏 「衣料は湿気に非常に弱く、劣化の大きな原因となるので湿度の高い場所は保管に適しませんが、だからといって湿気がゼロというのもまた具合が悪いんです。適度に湿気があり、空気の流れがある場所、つまり普通に生活していて不快感がないような場所であれば、とくに神経質にならなくても大丈夫かと思います」

――クリーニングと保管のタイミングについて確認したいのですが、季節物は、シーズンが終わる前にクリーニングしたほうがいいのでしょうか?

吉原氏 「『シーズンが始まってからクリーニングに出す』というのはやめたほうがいいと思います。自宅で洗濯するだけだと、見えない皮脂などの汚れはけっこう残っているものです。こうした汚れは時間が経つと酸化するため、1シーズン置いてしまうと頑固なしみになることがあります。『久しぶりに着ようと思って衣料を取り出したら、黄ばんでとても着られる状態ではなかった』という事態を避けるためにも、衣料は保管する前にクリーニングに出したほうがいいでしょう」

クリーニングで衣類をきれいにした後も、ちょっとした工夫で衣類をより清潔に保てるようです。いつでも清潔な服を着れば、「おしゃれ度アップ」も期待できそうですね。さて次回は、「クリーニングの上手な出し方」について質問してみます!