トラベルジャーナルは16日、2012年に海外旅行に出かけた人を対象に実施した「海外旅行でのトラブルに関する調査」の結果を発表した。同調査は、2013年3月11日~15日の期間にインターネット上で行われ、全国の20~70歳代の男女1万9,073人から有効回答を得た。

同調査で、2012年に海外旅行をした人のうち、何らかのトラブルに遭遇した人は8.6%。これを2012年の日本人海外旅行者数1,849万人に当てはめて計算すると、推定約159万人が旅行先でトラブルに遭ったことになる。

トラブルの内容で最も多かったのは「私物の盗難・紛失」で約75%。盗難・紛失品の中では「現金」が最多で35.3%。以下、「財布」が22.2%、「その他」が20.5%、「買い物品」が16.4%、「デジタルカメラ・カメラ」が16.3%と続いた。

実際に失った現金の金額を尋ねたところ、1人当たりの被害額は平均3万5,000円。1回の旅行での最高被害額は80万円だった。2012年の1年間で海外旅行に持参した現金総額は1人当たり平均20万円で、中には6回の旅行で計800万円を持っていった人もいた。

2012年の1年間で海外旅行中に盗難された・紛失した現金はいくらになりますか?(トラベルジャーナル調べ)

現金の盗難・紛失被害総額を2012年の日本人海外旅行者数に当てはめて計算したところ、総額約152億円と推計。これは、2012年に発生した振り込め詐欺の被害総額約155億円とほぼ同額となる。

現金の盗難・紛失の被害要因については、トップが「スリ」で約40%。次が「紛失」、「置き引き」となり、これら3つで全体の8割以上を占めた。

現地で何をしている時に被害に遭ったのか聞くと、「観光中」と「買い物中」が上位2位にランクイン。時間帯別では、「昼間」が約40%で最も多く、次いで「夕方」、「夜」の順となった。被害場所は、「大通りや公園など公共広場」が最多で約16%、以下、「駅」、「ショッピングセンター」などが続いた。また、周囲の状況については、「人ごみの中」が約57%と圧倒的に多く、約70%が「2~5人で行動中」に被害に遭ったと答えた。

過去5年間の経験に遡って質問したところ、現金の盗難・紛失被害遭遇率は前年の約2倍に当たる約77%。1回当たりの被害最高額は1,050万円だった。実際に被害にあった人にそのきっかけ(状況)を尋ねると、約65%が「気を抜いていたから」と回答。以下、「外国人に比べて日本人は狙われやすいと思われているから」、「現金や貴重品を盗まれやすい場所に置いていたから」と続いた。

過去5年間の現金の盗難被害の1人当たり平均額は、旅行先で主にカードを使用した人が3万8,071円、主に現金を使用した人が5万6,079円と、現金使用者の方が1万8,008円多くなっていた。