米オルタナティヴ・メタルバンド、デフトーンズのベーシストであるチ・チェンが死去した。42歳だった。
2008年に自動車事故に遭って以来、健康障害を抱えて半ば昏睡状態にあったというチ・チェンは13日の早朝に病院に緊急搬送され、そのまま病院で息を引き取ったという。2008年の事故では家族が同乗していたチ・チェンの車が衝突事故を起こし、シートベルトを着用していなかった彼は、車中からはじき出されて重体に陥っていた。
ウェブサイトOneLoveForChi.com上でチ・チェンの母親ジャンヌ・マリー・チェンさんは「このニュースを皆様にお伝えするのは非常に辛いことです。チ・チェンに対して皆さんが示してくださった心のこもった無条件の愛情やサポートは素晴らしいものでした。ステージで皆さんに心のこもった演奏をしてみせた息子のことをいつまでも覚えていてくれることと思います。チ・チェンは今朝午前3時に緊急救命室に搬入され、突然、心停止となりました。私が息子の好きな歌を耳元で歌ってあげながらチはこの世を去りました。息子は最後まで闘い続けました。皆さんはいつも息子に愛を送ってくれましたね。息子は自分が愛されていて、孤独じゃないことをちゃんと分かっていましたよ」との声明を発表。さらに、デフトーンズのフロントマン、チノ・モレノも自身のフェイスブックで、「チ・チェンよ、安らかに眠れ」とコメントを寄せている。
チ・チェンやチノをはじめ、ステファン・カーペンター、エイブ・カニンガムらによって1988年にデフトーンズは結成された。プラチナディスクにも認定された2000年のアルバム『ホワイト・ポニー』を含む5枚のアルバムでチ・チェンはベースを担当しており、また同バンドは2001年のグラミー賞で最優秀メタル・パフォーマンス賞を獲得している。
今回の訃報にグラミー賞を主催する全米レコード芸術科学アカデミーも14日に声明を発表。「(チ・チェンは)ステージで堂々たる存在感を見せたパワフルなベーシストでだった。デフトーンズの初期の作品はよりへヴィ・メタル調でしたが、オルタナティブかつ美しく優美なサウンドを本能的で爆発するような音楽に融合させた最初のバンドの1つであり、現在の新進気鋭のバンドの先駆者だったです」
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