キャリブレーションに使用した「i1 Display Pro」

次にキャリブレータを使い、U2913WMの色調がどういった味付けでセッティングされているのか、表示できる色の範囲はどの程度広いのかを調べてみる。計測にはx-riteの「i1 Display Pro」を使用し、色温度D65、輝度120cd/平方メートルの設定でキャリブレーションした。

結果は明るくなるほどグレーのバランスが崩れることを示しているが、IPS液晶としては標準的な範囲。むしろRGBのまとまり具合や直線性は良好な部類に入るだろう。

また、キャリブレーション後に生成されたICCプロファイルについて、Mac OS X上の「ColorSyncユーティリティ」を使い、Yxy平面上に表示可能な色をプロットしてみた。これによると、色域はsRGBとほぼ同じ範囲をカバーしている。ほんのわずかに寒色系の色域が狭いようだが、実用上はまず問題ないだろう。

ガンマカーブは明部(右上)へいくほどRGBバランスが崩れるが、お手ごろ価格のIPS液晶としては良好だ

中央の色つき三角形がU2913WMの表示できる色の範囲。左下にグレーの領域がかすかに出ているが、これがsRGB本来の領域だ

今回の測定にはU2913WMの画質設定で「標準」モードを選択したが、U2913WMにはこの他に「テキスト表示」や「ゲーム」など、使うシーンに応じた8種類のプリセットモードが存在する。プリセットのうち1つはユーザがカスタム可能だ。このモードはU2913WMに同梱されているユーティリティ「Display Manager」を組み込むことで、最前面に出たアプリに応じて自動で切り換えることができる。

さらにDisplay Managerには画面のウィンドウを移動させると、あらかじめ決まった大きさに整えてくれる機能もある。多数のウィンドウを整然と並べて仕事をしたい人には便利な機能といえる。

付属ユーティリティ「Display Manager」。アプリと各表示モードの関連付けは事前に手動で行う必要がある

あらかじめ指定しておいた分割パターンに、ウィンドウの大きさを自動調整する機能も

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