新ウルトラヒーロー『ウルトラマンギンガ』のお披露目となった「円谷プロ50周年事業展開説明会」に続いて15日、東京・渋谷のアイアシアタートウキョウで「ウルトラマンフィルムフェスティバル前夜祭 ウルトラマンだけじゃない上映会」が開催された。

左から樋口真嗣監督、AKB48・田名部未来、氷川竜介氏

上映会のスペシャルトークショーには、映画監督の樋口真嗣氏、アニメ・特撮研究家の氷川竜介氏、AKB48のメンバーで特撮作品への造詣が深い田名部未来が登場。こちらも「事業展開説明会」同様、円谷プロの50周年を記念したもので『快獣ブースカ』『ウルトラファイト』『ファイヤーマン』『ミラーファイト』『恐竜大戦争アイゼンボーグ』『レッドマン』といったレアな映像が続々と上映された。

オープニングには、田名部がウルトラマンやブースカたちと共に『マイティージャック』の隊員服姿で登場し「(隊長役の)二谷英明さんにはおよびませんが、マイティージャックの制服が着られて感激です!」と喜びをあらわに。憧れのブースカに花束を渡して感激していた田名部は、子供の頃に買ってもらったブースカのおもちゃがオタク趣味に目覚めたきっかけだったという。

この衣装を目にした樋口監督は「ほとんど本編には出てきていない隊員服なんですよ」、そして氷川氏は「素材感が面白いですね」と興味津々の様子。しかし、番組のオープニング映像にまつわるちょっとしたトークでは、氷川氏が「オープニングは秒間600コマ撮れるカメラで撮ってるんですよ」、樋口監督が「あのカメラはフィルムが噛んじゃうと問題になるから、使いたくなかったって円谷プロの社長が言ってましたよ」と次から次へと濃すぎるうんちくが流れる始末。さしもの田名部も相槌を打つのがやっとの状態だったが、お気に入りの怪獣には、この日上映された回に登場した「宇宙怪獣ムクムク」の名を挙げ、「かわいくてさわりたくなっちゃいました」と語っていた。

樋口監督からは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』で知られる庵野秀明監督について「特撮博物館のDVD『円谷特殊技術研究所』はいろんな作品のエピソードを庵野が選んでるんですが、『マイティージャック』だけは好きすぎて選べないと言って、ダイジェストのメカグラフィティになってるんです」という貴重なトークも飛び出し、「以前『円谷プロ特撮メカニック大全』のオーディオコメンタリーを庵野とやった時に、あんなに円谷プロを愛してる庵野が、この後上映される『恐竜大戦争アイゼンボーグ』のシーンだけ見たことなかったんです。僕がこの話をしたら黙りこんで、映像を見てあんなにショックを受けて驚いてる庵野を見たことがないです」といったエピソードで会場を笑わせていた。

最後に氷川氏は「このあとの上映では、アニメと実写の合成など円谷プロならではの実験的な手法の映像が出てくるので楽しんでいってください」とファンに呼びかけ、トークで聞き役に回ることが多かった田名部は「まだまだ知らない世界があって、今日は熱いお話が伺えてうれしかったです。勉強になりました!」と特撮愛をアピール。トーク中は観客を次から次へと爆笑の渦に巻き込んでいた樋口監督は、最後は真剣な表情を浮かべ「僕らの先輩が50年かけて積み重ねてきたのは素晴らしいことだと思うんです。我々もこれを受け継いでいきたいと思います」と締めくくっていた。