JR貨物はこのほど、2012年度の輸送実績(速報)を発表した。コンテナ貨物と車扱貨物を合わせた取扱貨物量は2,999万1,000トン。世界経済の減速などを背景として輸出や生産の減少があったものの、東日本大震災からの復旧にともなう一部メーカーの生産増があり、年度全体では前年度を15万2,000トン上回った。
コンテナ貨物は化学薬品が前年を下回ったが、その他の品目は紙・パルプ、エコ関連物資などを中心に増加。全体では前年比104.6%となった。化学薬品の取扱い減少は、一部顧客の輸送中止などによるとのこと。大きく増加した紙・パルプは、震災で被災した生産拠点の復旧により、エコ関連物資は災害廃棄物の広域処理の進展によりそれぞれ増送となった。
一方、車扱貨物は、セメント・石灰石が2011年9月の台風12号にともなう線路不通の反動で増送となったものの、石油が一部区間での輸送終了を受けて大きく減送となるなど全体的に落ち込み、前年比92.7%となった。
運行状況については、4月の低気圧接近による強風や、6月および9月の大型台風の上陸にともなう輸送障害が発生したほか、12月から3月にかけて北日本を中心に大雪の影響を強く受け、年度全体で高速貨1,534本、専貨36本が運休した。