既報の通りレノボ・ジャパンは9日、同社製ノートPC「ThinkPad」シリーズの新製品として、キーボードが着脱可能なコンバーチブル型Ultrabook「ThinkPad Helix」を発表した。これに合わせて都内で会見を開き、「ThinkPad Helix」のデザインコンセプトや新たに採用された技術について解説した。

ThinkPad Helix

「ThinkPad Helix」は、2013年1月にアメリカ・ラスベガスで開催されたCES 2013で公開されたコンバーチブル型Ultrabookで、タブレット部とキーボードドック部に分離が可能なモデル。11.6型ディスプレイを搭載したタブレット部は約785g、キーボードドックは約820g、合計約1.6kgの重量で、同社によると脱着式Ultrabookとしては、日本国内最軽量だという。

重量は約1.6kgで、脱着式Ultrabookとしては、日本国内最軽量

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レノボ、着脱式の11.6型Ultrabook「ThinkPad Helix」 - 4月下旬発売

クラムシェル型ノートとタブレットの強みが合体

レノボは2012年、Ultrabook「ThinkPad X1 Carbon」、そしてWindows 8搭載タブレット「ThinkPad Tablet 2」を相次いで発表した。「X1 Carbon」は、クラムシェル型ノートPCの姿を突き詰めたフラグシップともいうべきモデル。そして、「Tablet 2」は新たなスタイルのThinkPadを示したモデルといえる。

2012年に発表された「ThinkPad X1 Carbon」と「ThinkPad Tablet 2」

「ThinkPad Helix」は既存のノートPCとタブレットのよさを取り込んだ製品となっている

レノボ・ジャパン Think Client Brand Managerの土居憲太郎氏によると、「ThinkPad Helix」は「Ultrabookとタブレットの両方のメリットが合わさった製品」だという。

レノボ・ジャパン Think Client Brand Managerの土居憲太郎氏

タブレット端末は携帯性が良く、その場にいる他者と画面共有がしやすいという強みがあるが、一方でハードウェア的なスペックがそれほど高くない、あるいはテキストなどの入力機能が不十分といった弱みがある。

ノートPCもCPUやメモリ、ストレージといったハードウェアスペックはもちろん、キーボードでの入力操作に適しているという武器はあるが、携帯性ではタブレットに譲る部分もある。

「ThinkPad Helix」では、その両者の強みがそれぞれの弱い部分を打ち消す関係になっている。

想定する使用環境に応じて、通常のノートPCとして使う「ノートブックモード」、ドックから切り離して、タブレット単体で使う「タブレットモード」、ディスプレイ面をキーボードと逆に向けて取り付けて使う「スタンドモード」、「スタンドモード」からそのまま完全にディスプレイを倒して使う「タブレット+モード」の4種類のスタイルを提案する。

ユーセージに合わせて4つのモードを使い分ける

ノートブックモード

タブレットモード

スタンドモード

タブレット+モード

ThinkPad X230 TabletやIdeaPad Yoga 13といった、レノボがこれまでに開発してきたコンバーチブル型ノートでおなじみの使い方が可能となっている。中でも「スタンドモード」はIdeaPad Yoga 13でも好評だったという。

「タブレット自信も軽くなってきているが、人間にとって腕を上げ続けられない。膝のうえにおいて自由に角度を変えたり、楽な状態でタッチインタフェースを使えることは重要な役割を果たす」と土居氏は利便性を強調した。

対象マーケットは、素手での操作が難しい操作医療・建設現場や、デジタルサイネージ、コンビニ・ファミレス・ファストフードなどの店舗、教育現場と「ThinkPad Tablet 2」がカバーする領域と同様だが、負荷が大きな作業を行う場合は、ノートPCならではのハイパフォーマンスを生かして「ThinkPad Helix」が活用できるという。

ThinkPad Helixの対象マーケット

また、土居氏はビジネスシーンにおけるタブレットの状況について、「トップダウンで導入されたが、現場にはすでにノートPCが支給され、そこにスマートフォンが加わって、"3つのデバイスをどう管理していくのか"という問題に直面している」と分析する。その上で「ThinkPad Helixであれば、複数のデバイスを1つに統合し、管理コストを抑えることもできる」としている。

PC+として既存PCを拡張していくポジション

「ThinkPad HelixはレノボのPC+戦略の中で、PCをさらに拡張していくというところに位置づけられた製品。次の世代の新しい形、未来を担うようなThinkPadになっている」(土居氏)

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