イギリス史上初の女性保守党党首であり、1979年~1990年には首相を務め、反共産主義を貫き続けるとともに、保守的かつ強硬なその性格から「鉄の女」と呼ばれたマーガレット・サッチャー元首相が8日、脳卒中のため死去したことが明らかになった。87歳だった。英BBCなど複数のメディアが報じている。
1959年にリンカーンシャー州グランサムに産まれたサッチャー元首相は、オックスフォード大学を卒業後、1959年に保守党から下院議員に初当選。1975年に史上初の女性保守党党首、1979年にイギリス初の女性首相となった。第二次世界大戦後のイギリスでは最長となる約11年半の間政権を維持し、保守党を3度勝利に導いた。この訃報は、サッチャー元首相のスポークスマンによって公表され、後日、ロンドン市内のセント・ポール大聖堂で葬儀が行われるという。
なお、現在スペインのマドリードに滞在中のキャメロン首相はこの訃報を受け、「私たちは偉大な指導者であり、偉大な首相であり、偉大な英国人を失いました。彼女は英国をただ首相として先導しただけでなく、英国を救った人物でした」とすぐに声明を発表。今後には、フランスのフランソワ・オランドとの会談などが予定されているが、それらをすべてキャンセルし、ロンドンへ戻ることを決定したという。