ソニーは8日、4K/HDビデオフォーマット「XAVC」を拡張し、既存の業務用XAVC Intraフレーム方式に加えて「Long GOP方式」(4K 4:2:0、HD 4:2:2)と、民生向けのビデオフォーマット「XAVC S」を追加すると発表した。
Long GOP方式は、映像の圧縮率を高めるために1枚のフレーム内で圧縮が完結しているIntraフレーム(Iフレーム)をもとに、前後のPフレーム(Predictive)、Bフレーム(Bi-directional)を、Iフレームや別のPフレームとの差分データからの計算により再現した動画。同社では、XAVCビデオフォーマットがさらに多くのアプリケーションで活用されるように、Long GOP方式を追加したとのこと。
XAVC Sは、民生用機器での扱いやすさを考慮して、MP4ファイル形式を採用した高画質ビデオフォーマット。XAVC Sの追加によって同社は、XAVCフォーマットが業務用途から民生用途までをトータルにカバーするビデオフォーマットであると位置付けしている。主な仕様は、解像度が4K(3,840×2,160) / HD / プロキシ、圧縮方式はMPEG-4 AVC/H.264、ファイル形式はMP4、オーディオはリニアPCM / AAC。
同社ではXAVCでの映像制作環境構築に向け、編集ソフトメーカーのほか、ハードウェアメーカーとの協業も加速していくとしている。これまで、XAVCをオープンな技術フォーマットと定めてライセンスプログラムを提供してきており、業界60社を超える企業と導入に向けた交渉を行い、ライセンス契約をした企業を含め31社がフォーマットのサポートを表明しているという。