東芝セミコンダクター&ストレージ社は4日、ストレージ分野に関する事業戦略を公開した。クライアント向けとしては、HDDとSSDのハイブリッドドライブ、外付け型ポータブルHDDなどを拡充していくとしている。
事業戦略のキーワードは「トータル・ストレージ・イノベーション」。電力を含むエネルギー、環境、経済性、安定性のバランスを取る「スマート・コミュニティ」を背景に、ITインフラやビッグデータの扱い、クラウドコンピューティングの重要性が増大。その中で、ビッグデータを効率よく保存し、適切に処理、出力する機能を「トータル・ストレージ・イノベーション」と位置付けている。多様化するストレージ需要に応じて、先端技術を適用した高品質・差異化製品を供給していく。
また、ビッグデータにおける差別化のポイントには、多種多様(Variety)で大容量データ(Volume)をリアルタイムに高速処理(Velocity)することを掲げる。2013年度には、この3つの「V」(Variety, Velocity, Volume)に対応したストレージソリューションを提供していくという。エンタープライズ領域では、高速、高信頼性、セキュアなど、さまざまな特徴を備えた多種多様なストレージ製品を用意。企業を支えるストレージ、多彩なシステムにふさわしいストレージ製品を提供していくとしている。
身近なプロダクトとしては、クライアント向けのハイブリッドドライブとコンシューマ製品の外付け型HDDを挙げている。ハイブリッドドライブはキャッシュ用SSDを搭載したHDDで、東芝のNANDフラッシュ技術、SSD技術、HDD技術を融合。ユーザーデータのアクセスパターンを学習し、DRAM / NANDフラッシュ / 磁気ディスクという3層の記録デバイスにデータを適切に配置することで、単独のSSDに近いパフォーマンスを実現する。
コンシューマ向けの外付け型ポータブルHDDでは、大容量データ保存のニーズが増大しているとし、小型軽量の9mm厚ポータブルHDDや、USBバスパワー駆動で扱いやすい製品を投入する。なお、2.5型HDDを採用するポータブルHDDでは、すでに欧米で25%のシェアを獲得しているという。