セミナーでは、プロスポーツトレーナー・松井薫氏がエクササイズを実演

食の欧米化や運動習慣の減少による筋肉低下などによって、現代人は知らず知らずのうちに、代謝の低い身体になっている。味の素はこのほど、代謝アップで効率的に脂肪を燃焼するポイントについて、マスコミ向けにセミナーを行った。

大きな筋肉を若返らせる

代謝を高める筋肉の強化として、プロスポーツトレーナーである松井薫氏は、お尻・肩周りの筋肉年齢を若返らせることが重要と言う。

加齢による筋力の退化はお尻部分に当たる中殿筋(ちゅうでんきん)から始まり、大殿筋からハムストリング(下肢後面を作る筋肉の総称)の退化につながる。下半身の筋肉を強化するには、この中殿筋を鍛えることがポイントになる。一方上半身は、背中全体を覆っている僧帽筋(そうぼうきん)と回旋筋腱板(かいせんきんけんばん)を鍛え、肩甲骨周りの筋肉を柔軟にすることが大切だ。

松井氏は1日3分でできるエクササイズとして、以下を提案している。

(1)かかとを上げて腕を左右に広げ、かかとを下ろして腕を下げる動作を繰り返す

(2)右肘と左膝を身体の前でタッチ、左肘と右膝を身体の前でタッチを交互に行う

(3)手を軽く握って両腕を上げ、右側に倒すと同時に右足を右肘に近づける。右側で繰り返したら、左側でも同様にする

(4)右腕を上げ、左足を一歩出すと同時に膝を曲げて腰を落とす。左右交互に繰り返す

(5)手をお尻の前に置き、右足で左手のひらにタッチし、それを左右交互に繰り返す

(6)両手を軽く広げ、肩を上下に動かす

(7)手のひらを上に向けた状態で両手を胸の前に広げ、両腕を水平にスライドする動作を繰り返す

(8)肘を直角にした状態で右手を下に、左手を上に上げる。両手を交互に上下させる

(9)腕を左右に広げ、右の手のひらを下に、左の手のひらを上に向ける。腕を水平に保ちながら、手のひらを反転させる動作を繰り返す

(10)両手を肩の上に置き、肩を前回し、後ろ回しする

(2)

(3)

(4)

(5)

(6)

(7)

(8)

(9)

(10)

消費を促す褐色脂肪細胞を活性化

もうひとつの代謝アップ方法は、褐色脂肪細胞に刺激を与えることだ。褐色脂肪細胞はエネルギー消費を促す細胞だが、加齢とともに白色脂肪細胞へと変化して減少する。乳幼児の褐色脂肪細胞を100%とした場合、個人差はあるが、20~30代では50%、50代では10%程度となる。白色脂肪細胞は中性脂肪を貯蔵する働きがあるため、代謝ダウンとともに体脂肪率が高くなる原因となる。

北海道大学名誉教授で天使大学の教授である斉藤昌之氏は、褐色脂肪細胞を活性化する方法として、唐辛子から抽出した「カプシエイト」の摂取を提唱している。また「カプシエイト」には、白色脂肪細胞を褐色化(ベージュ脂肪細胞)する働きもあるという。

「白色脂肪細胞になってしまうと、褐色脂肪細胞へと完全に変えることはできない。そのため、褐色脂肪細胞の活性化を促し、減少を食い止めることが代謝アップにつながると言える。また、ベージュ脂肪細胞は容易に白色脂肪細胞へ戻ってしまうため、日々の運動とともに『カプシエイト』を用いての刺激が必要」とコメントしていた。