阪堺電気軌道は今年度、大阪府堺市の支援を受けて、阪堺線に低床式車両を新たに導入する。車体外観は堺市にゆかりの深い古墳や千利休のわびをイメージし、緑や白茶を基調としたカラーデザインで、アクセントにシャンパンメタリックを用いた。

今年度に阪堺線で営業運転を開始する低床車両「堺トラム」

車両諸元は、全長16.3m、全幅2.4m、乗降口床高さ35cm、定員76名。とくに乗降口は、これまでの車両と比べて30~40cm低くなるため、停留所との段差も5cmほどになり、車いすなどでの利用も容易になる。3連節車両により走行性能などが向上するとともに、ブレーキやモーターの静音化により、乗り心地も向上する。

車内は木材を随所に使うとともに、木目柄・和紙柄の化粧板、「堺更紗」をモチーフにしたシート柄やすだれカーテン、電球色ダウンライトを用いて落ち着いた和のイメージを演出。車内に設置した液晶画面で運賃や次の停留場を表示するとともに、堺の観光映像を放送し、観光PRを行う。愛称の「堺トラム」は、2012年5月に公募にて選ばれた。

同車両は6月まで浜寺駅前~我孫子道間にて試験走行を行い、7~8月には堺市公共交通活性化促進基金寄付者を対象に試乗会を実施。初秋には浜寺駅前~我孫子道間で臨時の営業運転を開始し、今年度中に大阪市内方面(天王寺駅前)への営業運転を開始する予定。