俳優の松山ケンイチが、日本を代表するカメラマン・木村大作の監督作『春を背負って』(2014年6月公開)で主演を務め、蒼井優、豊川悦司、檀ふみ、小林薫らが出演することが3日、明らかになった。

『春を背負って』に出演する松山ケンイチ(中央)、蒼井優(左)、豊川悦司

原作は、小説家・笹本稜平の同名小説。父の訃報をきっかけに脱サラし、立山連峰にある父の菫(すみれ)小屋を継いだ長嶺亨と、そこに集うさまざまな人の力強い生き方と温かな交流を描いた。松山は主人公の亨、父・勇夫を小林薫が演じる。また、勇夫の妻には檀ふみ、悲しみに耐えて山小屋で働く高澤愛役には蒼井優、父の友人を名乗る不思議な山男役には豊川悦司といった豪華キャスト陣が名を連ねる。

主演の松山は、木村監督と冬山の登山をした後にクランクイン。「山に一緒に登って良かったと思う事は監督とたくさんコミュニケーションをとれた事です」と振り返り、「監督の作品、演技に対する気持ちを知る事ができたのは一番の役作りになったと思います」と貴重な時間となったようだ。一方の蒼井は、「久しぶりの過酷なロケになりそうで、今からわくわくしています」と胸の高鳴りを伝え、「木村さんの振られるタクトに集中し、信じ、見逃さず、生還したいと思います」と意気込んでいた。

また、豊川は「大自然の中で、自分が感じた事を、そのまま役に託して、観客のみなさんにお伝えできればいいなと」、檀ふみは「みなさまの足手まといにならぬよう、スクワットで足腰を鍛え、その日を待っております」とベテラン役者らしいコメント。出演決定後、木村監督の前作『劒岳 点の記』のメイキングを見たという小林は、「正直これ大変だなぁって、まあ笑うしかないですね」と過酷なロケを想像しながら、「役者は言われたことをやるしかないので、監督に付いて行くだけ、気楽って言えば気楽です」と語っていた。