トータルとしては、画質とスピード、操作性を高めた堅実なモデルチェンジであり、カメラとしての完成度はいっそう高まった。
個人的な改善要望を挙げるとすれば、液晶モニターが固定式なのは少々もの足りなく感じるほか、着脱式のレンズキャップは面倒なので好きではない。しかし、クラシックデザイン路線の「X」シリーズには、可動式の液晶モニターやオートレンズバリアのようなギミックは似合わないのかもしれない。むしろ光学ファインダーを見ながら撮るという、昔ながらの撮影スタイルを重視し、その成果のひとつが今回新搭載したアドバンスト光学ファインダーなのだといえる。
2/3型というセンサーサイズについては、前述したように一般的なコンパクトデジカメに比べると大きいが、最近ではさらに大きなセンサーを搭載した高級コンパクトが増えており、高級コンパクトというジャンルの中では特に大型とはいえない。より大型のセンサーによるボケの表現力や高感度性能を求めるなら、例えば同じ「X」シリーズでもAPS-Cセンサーを搭載した「X100S」という選択肢があるし、ミラーレスの「X-Pro1」や「X-E1」を選ぶのもいいだろう。
X20は、適度に大きなセンサーを搭載することで、携帯性と高画質の両方をバランスをよく兼ね備えたモデルだ。フィルムカメラの感覚で気軽にスナップ撮影を楽しみたい人にオススメしたい。
絞り優先AE(F5.6 1/45秒) 露出補正:+0.7 ISO100 WB:オート 焦点距離:28.4mm(原寸大画像を見る) |
絞り優先AE(F11 1/950秒) 露出補正:±0 ISO200 WB:オート 焦点距離:7.1mm(原寸大画像を見る) |