ボディは、前モデル「X10」のデザインをほぼそのまま踏襲する。クラシックカメラを彷彿とさせるレトロなスタイルで、外装には高品位なマグネシウムダイキャストを採用。117(幅)×56.8(奥行き)×69.6(高さ)mmという外形寸法は前モデルとまったく同じで、バッテリなどを含めた撮影時重量は3gアップして約353gとなる。胸ポケットに入れるのは無理だが、男性の上着のポケットならギリギリ入るくらいの大きさだ。
ボディの前面から側面、背面に巻き付けたレザー調のテクスチャや、電源スイッチの働きを兼ねたマニュアル式のズームリング、金属の削り出しによる露出補正ダイヤルとモードダイヤル、昔ながらのケーブルレリーズを装着できるシャッターボタンなども継承。レンズキャップは、着脱式の金属製キャップが標準で付属する。
操作の細かい部分では、より使い勝手を高めるための工夫が各所に施されている。例えば、背面ボタンの機能の割り振りが見直され、前モデルでは液晶の左側にあったAFボタンは、右手側の十字キーの上に移動した。これによって、右手のみで素早くAFエリアの切り替えが可能になった。また、従来はRAW現像などの機能が割り当てられていた右下のボタンは、クイックメニューボタンに変更された。これを押すとクイックメニューが表示され、ダイナミックレンジやホワイトバランス、ノイズリダクションなど16項目の設定を素早く呼び出せる。
新機能としては、アドバンストフィルターや多重露光機能を搭載する。アドバンストフィルターでは「ポップカラー」や「トイカメラ」など8種類のエフェクトを選択でき、多重露光では2枚の写真を重ねて記録できる。そのほか、連写と画像合成によってボケを作り出す「ぼかしコントロール」や、同じく連写と画像合成によってノイズやブレを低減する「連写重ね撮り」、カメラを横に動かすだけでパノラマ画像を撮影できる「ぐるっとパノラマ360」などの付加機能を備える。動画は最大1,980×1,080/60fpsのフルHD記録をサポートする。
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